ハラグロ日誌
書人*ちる

   

  




泣けない大人
2001年11月12日(月)
江國香織の『泣く大人』を読み返した。
男友達・男の友達の違い、というテーマについて書かれている「男友達の部屋」という項目が興味深い。
個人的には「男友達とは疲弊を分け合ってはいけない。快楽だけを分け合いたい。」というのが何よりココロに響いた。
本当にそう!!でも現実にはその境界を引くのがすごく難しい。
疲弊を分け合い過ぎると、2人の関係も本当に行き詰まってしまう。
そういう意味では別れた恋人の存在、はやはり真の意味では男友達でなく、元恋人と表すしかないのかもしれない。
快楽・楽しいだけの事を分け合う関係なら、ずっとずっと恒久的にうまくいくのだろう。しかし、どちらかが弱くなっている時、寂しい時、ココロ揺れずにはいられない時もある。そうしてココロが揺らぐと疲弊が生じる。
江國氏の書くような本当の意味での「男友達」は「相手」が精神的に成熟した男性である場合に限る、のではないだろうか。
そして女性側も成熟している事が前提条件。
今の20代の私達にとっては、その境界は曖昧模糊としていて当然なのだろう、と思う。
そう思う内はまだ『泣けない大人』でしかないのだ。









設計*しゑ(繊細恋愛詩)
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