ハラグロ日誌
書人*ちる

   

  




父と息子
2002年07月27日(土)
ここ1週間ほど、隊長の夢に、亡くなったお父さんが出てくるという。何となく気になるので、お墓に行ってみたい、ときのう相談された。
その話を聞いたのはきのうが初めてだったけれど、何とはなしに隊長はストレスなり問題を抱えているようで、気になっていたので、一緒に行く事にした。
たまたま、私も何となく仏壇を全部中身を出して大掃除していたり、お供えするお酒を買って来たりしていて、無意識に予感していたような気もする。
まあ、夫婦だから当然といえば当然か。
隊長は、自分にストイックだ。長男で、夫で、公務員で、その役割を背負っている限り、いつもどこでも「ただの自分」っていうフラットな状態になれないのだと思う。(いや、敢えてならないようにしている。)悪くいえば、力の抜きどころを知ろうともせず、自分で自分を追い詰めてイライラしているようにも見える。その生き方をラクにできるよう、私も努力し、協力しているけれど、まだまだ役不足だ。30年以上、コチコチに生きてきた彼の生きざまを、出会って3年やそこらで変えられるはずもない。
以前の日記にも書いた事があるけれど、お墓には、不思議な消炎作用がある。お父さんの前では、かつてただの子供だったように、ただの自分になれるかもしれない。自分の「今」の姿をきちんと映してくれる鏡になればいいな、と思う。
朝5時に起きて、すぐに車で出発した。早朝だというのに、もう日射しはチリチリしててビックリ。風が涼しいので、窓を開けてお墓のある所に向かった。
梅雨を越して、だいぶ雑草とかが伸びていたので、1時間以上かけて、せっせと草むしり。汗だくになりながらも、厳粛なキモチになる。隊長は、意外と陽気で、なんだかんだと話しかけて来たりしてて、はしゃいでるようにさえ見えておかしかった。少し、安心できた。一緒に来て、ヨカッタかも・・・。
お花を活けて、お水をたっぷり石にかけてあげて、お線香・・・。隊長はここで決して手を合わせたり拝礼したりしない。ヘビースモーカーだったお義父さんのために自分の煙草に火をつけて、お線香と一緒に置いてあげる。そして、もう1本煙草を出してきて、自分も一緒に吸うのが、いつものやり方。
「父と息子」ってこういう感じなのかな、と思う。言葉を交わさなくても、黙って2人で煙草をふかす・・・きっとお義父さんが生きていても、こんな感じだっただろうなぁ。そう思わせる。









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