度々旅
INDEX|past|will
実家に帰り、いつも行く美容院で髪を切ってみた。夏に反発して、重い感じでお願いしますと注文。相変わらず、重く見えるけれど、実際は軽くて、段はそれでもあまりいれないで、おかっぱだけれど、起きた時につく寝癖がいいかんじになるやつ。と、わがまま注文。お前のような客は、他の美容院じゃやってくれないと言われながら、店長は楽しんでやってくれていた。その美容院は、変人美容室というあだ名がついている。予約はできないので、客は待つことが多い。そして、自分が早くやってもらいたいがために、待っている客は、前の客の切った髪を掃除することもしばしば。
どの客も、簡単な注文をした後は、適当に切ってくれとたのむ。自分がしてほしい雰囲気の髪を、自分に合うように仕上げてくれるだろうという信頼があるのだ。青山にあるようなサロンと違い、客が注文したとおりの髪型ではなく、客に合った髪にしてくる。例え、雑誌を抱えてこの髪型にしてほしいとたのんだとしても、その髪がそのまま本人に似合うかどうかは疑問なわけで、しかし、似合わないとしてもやって欲しいというような客は、ここには来ない。店長は、似合わない頭を作らないからだ。そして、仕上げは客が勝手にドライアーを使ったり、ワックスを使ったりして帰ることもしばしば。普通の店じゃ考えられない状況だ。
ここに来る客は、髪を切ることでリフレッシュだとか、お任せで綺麗にしてくれとは思っておらず、自分のこだわりを実現させるためにやってくるのだ。出来上がった髪は、店長と客の共同作品ってやつだ。客層はかなり広く、老若男女問わずというかんじ。サービスを買いたいと思ってくる客は、まず一回で来るのを辞めてしまう。こういうやり方で、店を続けられる店長はすごいなと思う。
昔店長に、「あなたもつまらない人間になった」と言われたことがあった。私が注文した髪型が、面白くなかったらしい。店長と私は、なんとなく通じるものがあり、互いにどこか認め合っていた。私は店に行く時、今度はどんな面白い素敵な頭に仕上がるかしら?と期待しながら行き、店長は、私がどんなものを注文するのか楽しみにしていてくれる。それが、私が学生であるにも関わらず、一般的な髪型をたのんでしまって彼はがっかりというわけだ。社会人になると、冒険ができないので、学生をカットすることは、彼にとっては特に楽しみということもあるのだろう。 思い返せば、その頃の私は社会に少し迎合していた時で、彼はそれをいち早く見抜いたというわけだ。
普通はこんな美容院は嫌だろうが、私は変人美容院に通う変人であり続けたいなと思う。
夕方、昔の友人達と会う。非常に楽しいひと時を過ごした。以前日記にも書いたが、アメリカ人彼氏と付き合っている彼女とも会った。彼女は、彼と別れそうな状態。それをいいことに、私がそのアメリカ人にたまっていたものを吐き出したら、彼女も同意してくれてちょっと安心。相変わらず、卑怯者の私だ。彼女とアメリカ人のことは、いろいろ勉強?になることが多かったので、それについて思うことをそのうちここに書こうと思う。
|