薔薇園コアラの秘密日記

2003年01月20日(月) 熱気球のお話

 かつて住んでいたドイツの片田舎の町は、年2回の全独熱気球大会が行われる会場でもあった。
 春と秋にはドイツ各地から集まった40基近くの熱気球が、町外れの広場からスタートし、次々と風任せに空を流れていく。
 風向きによっては、我が家の真上を、「ゴーッ」というガスバーナーの音を立てて通過していくこともある。
 
 そんな町だから、熱気球の離着陸を見かける機会がよくある。
 普通の小さなワゴン(側面には必ず気球のイラストが書いてある)で広場に乗り付けて、籠とバーナーと小さくたたんだ気球の部分を芝生の上に出し、準備を始める。球の部分に熱を送り込んで熱気球を立てるまでが大変そうだなぁ、っていつも思う。
  
 でもこちらは離陸する瞬間を見守るのは楽しいもの。みんなの思いが、あがれあがれって伝わるの。持ち上がってしまえば、あとは見送るのみ。大きな熱気球が、だんだん遠く小さくなって、山の稜線の向こうに見えなくなるまで。

 子供たちが小さいころ、この熱気球に乗って家族で旅行するお話を即席で作って聞かせてやった。空の上から、誰が何をしているのが見える・・・というのを延々話すだけなんだけど、自分の知り合いが出てきたり、知ってる場所だったり、その日の出来事を再現させて空から見ているように話したり。
 
 詰まんない話もあったけど、ママが作るお話は、ママの手作り料理と同じくらいおいしく感じるものらしい。子供たちの空想力も手伝って、結構喜んで興味深く聞いてくれた。

 それにしても熱気球は夢があるよね。熱気球を題材に、本格的な面白いお話を作れたらおもしろいかもな。


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祐子 [MAIL]

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