ポーランド人は、日常的に木いちごシロップをよく使う。
ポーランド料理では、肉料理に木いちごソースかけというメニューもよく見かけるし、デザートにも赤紫色の木いちごシロップがアクセントに添えられている。
この木いちご、ポーランド語で、malina 文字通り「マリナ」という。 息子たちのお友達にも、万里菜ちゃんという子がいるので、この単語は難しいポーランド語の中でも、かなり早い時期に頭に入った。
最近、かなりはやいペースでこの Sok malinowy (木いちご濃縮シロップ)を消費している。 紅茶を普通に入れ、お砂糖の代わりに、このシロップをたらす。すると、木いちごティーにはやがわり。少し甘味もあって、とてもおいしい。 聞くところによると、ポーランド人の民間療法として、これを風邪の引き始めに飲むらしい。
ビールでカクテルも作る。 少し前から、お酒が弱くなってしまったせいか、若いころのように勢いよくビールを飲まなくなった。 ドイツにいたころは、ドイツ人と同じペースでビールをがぶがぶ飲みつづけると、絶対こちらが先につぶれてしまうので、ビールをスプライトで割った「ラートラー」というものを飲んでいた。アルコールもこれだと普通の半分の摂取量ですむ。(カクテルという、おしゃれなものではないですね、ハイ、ただ薄めただけです) ここでは、そのスプライトの代わりに、木いちごシロップと炭酸水でまず木いちごソーダを作り、それとビールを1:1で合わせる。 ファンタやスプライトで割ったものも作るけど、木いちご味もポーランド風でなかなかいけるものだ。ちょっと甘味のあるビールが私の味覚には合う。ベルギーにもフルーツ味のビールがあるから、これも邪道ではないだろう。
もしドイツ人おじさんたちが味見をしたら、 「こんなもんビールじゃないぞ〜」 なんて、お髭にビールの泡をつけながら、苦虫をつぶしたような顔をするのがまぶたに浮かぶようだ。 おじさんたち、徹底的に生粋の生ビール好きだったからな。
隣接した国で、農産物とかも似通っているけど、やはり国ごとに料理法や味付けが違う。木いちごだってドイツにもあったけど、これほど頻繁には使わなかった。 わたしもこちらで、すこしずつポーランドの味覚に慣れてきたのだと思う。いつかドイツに帰ったときに、ドイツ料理が「あぁ、懐かしい味・・・」って思えるようになったかもね。
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