2003年02月08日(土) |
「戦場のピアニスト」ポーランドでもう見たもんね〜 |
日本では、「戦場のピアニスト」2月15日公開だそうだ。 友達のメールで、日本ではしきりにCMで広告をしている旨連絡があった。私たち、ほとんどのポーランド在住日本人は、封切された夏にすでに観てしまっている。
この映画はフランスのカンヌ映画祭で最高賞を受賞している。 監督のロマン・ポランスキーは、自らがユダヤ人であり、幼少時代に強制収容所から脱走して生き延びた。自らの経験をもこの映画の主人公に託して訴えたいものがあったのだろう。
主人公・シュピールマンはワルシャワ在住の実在の人物、ポーランド国民なら誰にでも馴染みのある、有名な音楽家であった。 没2000年、享年88歳。
彼の手記(翻訳版・文藝春秋刊)をもとに映画が製作された。 主人公の名前、シュピールマン(Spielmann)とは、ドイツ語で”演奏家”という意味でもある。ぎりぎりの窮地を切り抜けて生き延びた、強運の持ち主のこの男性は、自分の名が宿命のように、成功したポーランド有数の音楽家として自分の人生を全うした。
ワルシャワが舞台なので、当然見慣れた街のショットがある。映画を通して大半のショットは、ヴィスワ河の東側地区、つまり私たちの住む街の川向こうである。その時代風にうまくCPUで画像処理がされている。ほかにも私の知人の知人がエキストラで出演していたり、ラストシーンが馴染みのあるフィルハーモニーホール(ショパンコンクールの会場)だったり、私たちにとって身近な感じがする映画である。
ホロコースト映画はシネマファンなら今までによく目にしたかもしれないけど、この映画は、老若男女の広い層に一人でも多くの人に観てもらいたい。 朝日新聞には、紹介記事が何度か掲載されているが、マスコミでの今後の反響に期待したい。
これから日本で観る人たちへ この映画は、ラストシーンのテロップが流れても席を立ってはいけない。最後の最後まで観ないと意味が無いのだ。映画を観終った後の余韻を、是非どっぷり味わっていただきたい。
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