薔薇園コアラの秘密日記

2003年02月24日(月) 手塚プロダクション講演会

 今日、日本文化広報センターでアニメ・マンガの講演会があった。
ゲストはアニメ監督のりんたろう氏と手塚プロダクション社長の松谷孝征氏。

 以前に手塚治虫・原作「メトロポリス」のDVDをこちらで買った。ポーランドで日本語版の映画を売っているとは思わなかったので、迷わず買った。
 それにはメーキングのDVDもついており、メトロポリスの製作・発表に携わったお二人も出演されていたので、そういえば本日のゲストのお二人、お顔に見覚えがありました。

 前半のりんたろう氏の講演では、40年前にテレビではじめて放映された白黒の「鉄腕アトム」と、今年公開のリメイクカラー版「アストロボーイ・鉄腕アトム」のフィルムを見せてもらった。CPGもない40年間のアニメ映画製作は、途方も無い労力がかかっているのだとわかった。技術の発展を目の当たりにして、ただ、唸るしかなかった。
 
 りんたろう氏が、ホワイトボードにボールがバウンドする様子をサササと描いた。一秒間のコマの動き8枚をイラストで説明するためにフリーハンドで何気なく描かれたのだと思うが、その画は驚くくらいに精密であった。
 故・手塚治虫氏のもとで、気の遠くなるほどの枚数を描き込んで鍛錬されたと思わせるプロの筆致であった。

 松谷社長の講演では、「オサムとムサシ」という、手塚治虫の幼少時代のアニメフィルムを観たあと、手塚氏のことやマンガ・アニメの歴史などを話してくださった。アニメ好きの若い世代の聴衆が多かったので、次世代を担う世界的なアニメ作家を目指して頑張ってほしいというメッセージを送られた。


 最近、ボーズたちはちょっと文字を読めるようになったと思ったら、コロコロコミックなどのマンガしか読まない。少し前までは普通の活字もろくろく読めなかったので、せめてマンガでも読んでもらいたいと思っていたけど、ここまでマンガ漬になると、親としても心配になった。
 
 そんな矢先に、今日の講演で聞いた話は妙に説得力があった。
「大人はすぐにマンガはくだらないものだと過小評価するけど、マンガには小説をはるかに越えた優れた作品があるから、どんどんいい作品にたくさん触れて欲しい」
とのこと。確かにそうかもしれない。

 帰ってから、子どもたちに、
「マンガを読んでいて、げらげらおかしいことの他にどんなこと思ったことある?」と聞くと、
「一緒に哀しかったり、嬉しいなと思ったりするよ」などと言っていた。
 児童書の代わりに年相応なマンガを読むということも、このくらいの子どもたちには必要なことなのかもしれないな、と子ども時代にそれほどマンガを読んでこなかった母は、改めて考えさせられた。

 よし、君たち、今度日本に行ったときに、たくさんマンガも買ってあげるよ!


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祐子 [MAIL]

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