昨日、18日はワルシャワ日本人学校の卒業式だった。規模が小さいので保護者も全員出席する。 たった一人の卒業生。彼は二学期の終わりに転校してきて、引き続きワルシャワ日本人学校の中学部に通うので、この日でお別れ・・・という湿っぽい式ではなかった。 が、転校してきてからここ最近の彼の成長振りは目を見張るものがあった。みんなに慕われる優しいお兄さんで、まじめな努力家でもあるので、今日の大人びた立派な彼の姿がまるで我が子のことのように嬉しかった。
そして卒業式の後、転出生と離任者の別れの挨拶があった。 転出生姉妹の2年生のひとみちゃんが、おっきな瞳で淡々と落ち着いて長い挨拶をした。まだまだ小さいのに堂々とたいしたものだった。
お姉さんの4年生の由真ちゃんが、別れの言葉を口にするなり、こらえきれずに泣き出してしまった。嗚咽で何度も言葉が途切れて次の言葉が出てこない。 それもそうだろう。 20人足らずのこんな小さな学校で毎日全員と仲良く遊んできたのだ。一人一人とのかかわりの密度が濃いのだ。陽気で純真な姉妹だったし、それぞれ友達との思い出も多かっただろう。 みんなの前に立って大粒の涙を流す二人は、感情の高ぶりが先行して、溢れ出る涙を拭うのすら忘れているようであった。生徒児童、教員、来賓、保護者、そこに居合わせた誰もが目頭を熱くした。
私も最初はアイメークが剥げ落ちないようにと涙を押さえるハンカチに細心の注意をはらっていたけど、涙が後から後から溢れ出るのでそのうちそんなことお構いなしに目頭を押さえた。
引き続き、三年間の任期を終えて離任されるK先生が一人一人へメッセージを。みんなは涙のまましんみりと先生との思い出に浸っていた。
* * * * * * * * 後でお母さんたちで話題になったのは、それぞれ自分の子供たちが涙を流していたので驚いたということについて。それも低学年児の小さな子供たちも別れが哀しくて泣いていたのだ。我が子達も知らないうちに、そういう感情の動きで涙が出るような素直な子供にちゃんと育っていたんだねぇ、と感慨深く語りあった。
お互いの体温が感じ合える程までに小さなフロアで行われたワルシャワ日本人学校の卒業式と離任式。その後は腹を抱えて笑ったお別れ会。なんといっても小規模校ならではの温かみがある。お互いの心の温かみまでも感じあえるのもごくごく自然なこと。そして、そのぬくもりがいつまでもお互いの胸に残っている。
同じ時期に同じ水を飲んでワルシャワで暮らした人たちの間には、なぜかしらお互いの存在を忘れない不思議な繋がりがあるみたい。これまでに帰国された人たちのことも、今は離れ離れになって顔をみる機会はないけれど、思い出はしっかり私たちの胸に残っている。そして今でもワルシャワのどこかでよく話題に上る。 この土地での思い出はワルシャワの水の成分と結合して、いつまでも胸に残るものなのかもよ。 しかも、飲んだ水の量と思い出の数は正比例して・・・。
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