ワジェンキ公園内のパデレフスキー博物館で、日本人会主催の第25回留学生音楽演奏会が開催された。出演者はワルシャワ・ショパンアカデミー研究科に在学中の学生たち4名。チェロ、ピアノ、ソプラノ、ピアノのソロ演奏。
暖かい日だったので、一緒にきた子供たちが演奏が始まる直前まで、「喉が乾いたー」と大騒ぎしていたけど、ボーズたちは喉の渇きも忘れてすばらしい演奏を聴き入っていた。 小さな観客をも黙らせた、といったほうがよいだろう。
留学生の皆さんは時折日本人会の行事などで遠目に見かけることはあるけど、個人的な面識は無い。ごく普通の若いお嬢さん方だと思っていた。 けれども、ステージに上がった4人は全くの別人であった。特に演奏している姿は、近寄り難いほどまでに魅力的であった。 彼女たちの演奏を聴いていて、「何かを表現する」ということは、人間の内に秘めた潜在意識のなせる業なのだ・・・と実感させられた。人間の身体なんか単なる器に過ぎず、人間の肉体に宿っている潜在意識がその人に表現させているのだ。これは音楽に限ったことではない。芸術や文芸、スポーツでも同じことがいえる。
人間は誰もが内なる潜在意識というものを持っているものだ。ただ、この世に生を受けてから今までに、その能力を引き出す訓練や鍛錬のためにどれだけ努力を積んできたかによって、その人の評価というものが決まる。 そんな当たり前のことを、ステージの上の彼女たちに改めて教えられたような気がした。 一回り以上若い彼女たちから、大切なことを学ばせてもらった。 子育て現在進行中の一人の母親として、そして一人の女として。
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