薔薇園コアラの秘密日記

2003年04月04日(金) 春の夕暮れ

 最近子供たちが野球を始めた。

 アメリカンスクールのグラウンドを借りて、そこの生徒の保護者がボランティアで指導にあたっている。ジュニアのマイナーリーグ(7〜9歳)は6チームもある。アメリカンに通う子供たちが主だけど、日本人学校の何人かの子供たちも参加している。お友達はみんな同じチームだった。

 金曜日の夕方に練習で、土曜日の昼からぶっつけ本番の試合をする。
 いつもは子供の習い事の送り迎えは億劫なんだけど、この野球のためにワルシャワ郊外にあるアメリカンスクールまで車を飛ばしていくのが楽しかったりする。遠いけど。

 今日はコーチの奥さんが一人で指導していたので、私も一緒にお手伝いをした。バッティング練習のピッチャー役。目の前でちびっこがバットを振るから、びびってしまって、ほとんどタマはまともに取れなかった。トホホ。
 しゃがんで構えてから、取りこぼした球を中腰で追いかけ、立ち上がってピッチャーに返す。その繰り返し。
 クー、膝と腰にきたー。着膨れのせいか、ボールもうまく投げられなかった。でも、子供に混じっていい汗かいてすごく楽しかった。

 小さいころ男の子たちに混じって野球やったのを思い出した。田舎の育ちだから、一通りなんでも遊びはこなせる。ソフトボール大会なんかも学校であったし。私たちはやっぱりサッカーというよりは草野球世代なんだなとしみじみ思う。ボール蹴りよりチャッチボールのほうが得意だもん。

 ドイツでは、サッカーが国民のスポーツであるから、男の子は小さいころから草サッカーをしながら育つ。普通のスポーツなどしそうにも無いお父さんでも、傍にボールが転がってくると無意識に足が反応するようだ。サッカーで遊ぶ習慣の無かった日本人にはあのドイツ人のようなフットワークはない。

 逆にドイツでは野球の知名度は低い。グローブをはめて、球を目の前で受ける習慣が無いから、受けたり投げたりする姿が何だかぎこちない。
 
 同じチームのアメリカ人の子供たちは、ベースボールの本場の国から来ているせいか、小さい子でもごく自然に球を投げたり打ったりしている。
 まぁ、これも国民性の違いといえるであろう。

 * * * * * * * * * 

 練習を終えて自宅に向けて車を走らせたのは、街灯もライトアップし始めた、午後7時半ごろであった。
 春分を過ぎたポーランドでは、その時間がちょうど日の入りのころである。目の前の薄水色の空が春の夕焼けの色に染まってとてもきれいだった。
 
 清二の言葉より
「ネェ、ママー、学校に行くときみたいな空の色だね」
冬は、朝日に向かって登校するからそう感じたんだろう。

 理人の言葉より
「さっき英語で説明されたルール、ぼくもちゃんとわかったよ。あー、早く試合してみたいなー」
 頭は野球のことで一杯のようだ。
 初め、「英語なんか全然わからないや!」と一人でふてくされてかんしゃくをおこしていたけど、やる気になるとちゃんと英語も理解できるのだ。
 
 ネ、理人、そうでしょう? ママはいつも、君の「やる気」になったときのそういう能力を信じているんだよ。
 さぁ、これからもいろんなことに自信を持って取り組もうね。

 家に着くと、リビングの明かりが付いていて、パパが珍しく先に帰宅していた。学校から預かっているハムスターと仲むつまじく遊んでいた模様。
 
 パパに「お帰り」といわれてしまった。いつもと逆でヘンな感じ。


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祐子 [MAIL]

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