我が家にドイツから持ってきた、いのししの毛皮がある。 知人の知人の猟師さんに、近所の森で射止めたいのししの毛皮のひとつをもらった。鉄砲の弾のあとが6ヶ所ぐらいあり、結構生々しい。 堅くて毛が長いいのししの毛は、シェービングブラシに使われているけど、確かにお父さんたちのお髭をしゅるんしゅるんと泡をつけるのにはうってつけかも。
そのいのししの毛皮、お掃除の際に、バルコニーの手すりにかけておいたら、いつの間にか風で吹き飛ばされて無くなってしまった。ちょっと見たところ、バルコニーの下あたりにはいのししの毛皮は見当たらない。 はてさて、どこにいってしまったんだろう? いやぁ〜、それにしても、結構重たいものだから、上からばたんばたんと落ちてきたときの衝撃、もすごかっただろうなぁ。 それよりも、第一発見者、びっくりしただろうなぁ。芝生の上に横たわるなにものかの獣の毛皮。ちゃんと耳や鼻の顔までついている。
などと余裕を持って今、書いていられるということは、すぐに見つかったからこそ。ドイツの思い出の品でもあるので、無くなったとわかったときはさすがにショックだった。 早速捜しに行くと、地下ガレージの大家さんのスペースにありました。きっとここの管理人さんが見つけて運んでくれたのでしょう。 いのししの毛皮が床につかないよう持ち上げると、なんとこの私より大きかった。全長1m60cmぐらいかな? うぅっ、前が見えない・・・。 地下から三階までエレベーターに乗った。エレベーターの箱の中で、私はいのししの毛皮の内側にすっぽり隠れるようにたった。
あっという間に三階についた。 いのししの毛皮を持ったまま、素早く我が家の玄関に滑り込んだ。 ただ、そこは旅行代理店もあるフロアなので、時々エレベーターの扉が開いたところで、見知らぬ誰かと出くわすことがある。 もし、こんなときに扉の外に誰かいたら・・・いやぁ、びっくりさせちゃうだろうなー。
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