机上に我が師の写真がある。アルミ合金の小さなフレームに入れて。 写真の中で、軽く微笑んでいる。
パソのモニターとにらめっこしている私を、いつも右斜め前から静かに見守ってくれている。 時々言葉選びに行き詰まったときには、モニターから視線をはずして、師の写真をぼんやり見入るという習慣がついている。
普段はただの一枚の顔写真にしか過ぎないのに、そういうときには、写真のなかの瞳に魂でも入ったかのように、師は私のほうをじっと見守っている。 「ユウコさん、自信を持ってがんばりなさい」 声までもが聞こえてきそうだ。
私は何度この耳の奥深くだけで聞こえる声に励まされてきただろうか。
年が明けてすぐに、師から激励のメッセージを受け取った。 ところが、私はそれに応えることができないまま、だらだら半年近くを無駄に過ごしてしまった。
最近、ようやくエンジンがかかってきた。夏休みに日本に帰るまでどこまでできるかわからないけど、何かまとまったものを仕上げてみようと思う。
ほら、今も写真の中から私に語りかけている。 「日記はもうそろそろ切り上げて、勢いよく次のこと始めちゃいなさい」 って。
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