脳内世界

私が捉えた真実、感じた真実などを綴った処です。
時に似非自然科学風味に、時にソフト哲学風味に。
その時その瞬間、私の中で、それは真実でした。


※下の方の○年○月っていうのをクリックすると、ひと月ぶんはまとめ読みする事ができます



 子供時代

「また一緒に暮らせる事があるかもしれないし」


お母さんの電話でのこの言葉に、なんでか涙が出てしまった。

「じゃあね柳ちゃん、またね」
「うん、またねっ」

泣いてるって気づかれないように元気に返事するのが、くるしかった。



大学で一人暮らしを始めてからしばらくして、私以外の家族は国外に行った。
日本にひとりぼっちだと思った時もあったけど、ネットで電話もしてたし家族みたいな友達もいたし、別にあんまり気にならなかった。
私が就職する頃、家族は日本に帰ってきたけど、お父さんだけ単身赴任になって、今実家で生活してるのは母と妹だけだ。
お父さんは実家を出るとき「もうここに帰ってくることはないかもしれない」っていう予感を言って出て行った(もうその家には住まないかも、という意味)。

また家族で一緒に暮らせたら楽しいだろうなと思った。
でも、また一緒に暮らせる可能性は限りなく薄いような気もした。
それは別に普通なことだと思うけど、
まるで幸せな昔にひどく憧れを抱いてるみたいで、とても焦がれて、
くるしかった。

「また一緒に暮らせることがあるかもしれない」
なんていわれると、
もう二度と一緒に暮らせないような気がして、


どれだけ大事な時間をあの家で過ごしていたんだろうと思って、
また涙が出た。



2007年08月19日(日)
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