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■ 子供時代
「また一緒に暮らせる事があるかもしれないし」
お母さんの電話でのこの言葉に、なんでか涙が出てしまった。
「じゃあね柳ちゃん、またね」 「うん、またねっ」
泣いてるって気づかれないように元気に返事するのが、くるしかった。
大学で一人暮らしを始めてからしばらくして、私以外の家族は国外に行った。 日本にひとりぼっちだと思った時もあったけど、ネットで電話もしてたし家族みたいな友達もいたし、別にあんまり気にならなかった。 私が就職する頃、家族は日本に帰ってきたけど、お父さんだけ単身赴任になって、今実家で生活してるのは母と妹だけだ。 お父さんは実家を出るとき「もうここに帰ってくることはないかもしれない」っていう予感を言って出て行った(もうその家には住まないかも、という意味)。
また家族で一緒に暮らせたら楽しいだろうなと思った。 でも、また一緒に暮らせる可能性は限りなく薄いような気もした。 それは別に普通なことだと思うけど、 まるで幸せな昔にひどく憧れを抱いてるみたいで、とても焦がれて、 くるしかった。
「また一緒に暮らせることがあるかもしれない」 なんていわれると、 もう二度と一緒に暮らせないような気がして、
どれだけ大事な時間をあの家で過ごしていたんだろうと思って、 また涙が出た。
2007年08月19日(日)
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