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■ むしろ、ここの事は忘れるんだよ
PICUでは、子供の泣き声やわめく声が色々聞こえていた。
ここCCUは、ほぼ各種モニター音とアラーム音、そして医療従事者のボソボソとした声、面会の人の静かな声しかしない。 ほとんどの児が筋弛緩剤を使われ、気管挿管管理されているからだ。 あまり意識レベルが上がると、バイタルが乱れて循環にも悪影響を及ぼすから、抜管しても薬剤で寝かされていることが多い。
チラと、心臓カテーテル検査のために一時的にこのCCUに、せまいストレッチャーの上に乗ってる大人や子供に目を走らせる。 CCUは、建物が古いために何か暗くてぼろっちい印象がある。そして、陰気なまでに静かである。口から何かを食べたり飲んだりする子も、ほとんどいない。 そうなったら、下(PICUや一般病棟)へ移るからだ。
いちゃいけないな。 こんなところに、長くいるもんじゃない。患者さんも。
はやく、自分の力で息をして、 自分の力でご飯やミルクを飲んで、 自分の力でうんことかを出して、 自分の力でお母さんにいっぱい甘えなさい。 夜もちゃんと、はやくお母さんといっしょに寝れるようになろうね。 はやく、おうちに帰りなさい。家族のもとへ戻ってあげなさい。
私たちは全力で、子どもたちをここから出してあげなければいけない。 出せる状態にしなければ、いけないのだ。
そしてまた、死んだように眠る子を受け入れる。 でも決して死んでいるわけじゃない。 この子たちは、いずれ自分の力でバタバタしたり、座ったり、走ったりするようになる子たちなのだ。そうして皆退院していく。 このラインの先に、その姿があるのだ。 たとえ今、とても想像できなくても、 そのために今この子たちは、ここに居るのだ。
ここであった痛いことや怖いこと、 寂しいことやつらいこと、 ぜんぶ忘れるくらい、元気になるんだよ。
2010年08月15日(日)
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