Spilt Pieces
2002年05月13日(月)  傷
依存する、ということから脱却して、足を大地につけて一人で立つことができるなら、私は大人になれるだろうか。


人を傷つけずに生きたい。
傷つけてしまったら、逃げてはいけないのだろうけれど、どうしたらいいのか分からない。
傷つけられるのにはうんざりしている、痛みも共感できる。
だけど私は誰かに同じことをしてしまう。
悲しい繰り返し。


誰かに言われた言葉。
「大人は、傷を他人にみせてはいけない」
「大人は、他人に嫌いだとか怒りだとかの感情をみせてはいけない」
自分の中の誰かが言った言葉。
『大人になりたくない』


ずっと、何を考えているのか分からないような人が嫌だった。
そんな大人にはなりたくないと思ってきた。
だけどそうしなければならないのかもしれないと思い始めてしまった。
自分の中で、何かが矛盾している。
望まぬ道に進むようにと手招きする自分がいる。
どれが本当?


「痛みなど、捨ててしまえれば楽なのに」
かつて誰にも届かぬようにと空へ叫んだ声は、今舞い戻りひらひらと頭上に降る。
誰かを傷つけても、何かを失っても、痛まぬ胸。
麻痺してしまったのか、忘れたフリをしているだけなのか。
痛まぬはずの胸は、その事実にちくりと何かを訴える。
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