Spilt Pieces
2002年05月19日(日)  接客業
今日、バイトに行った。
十二時から六時までのはずが、お客さんが多かったのと人が足りなかったのとで、結局九時半までだった。


二ヶ月前、私はオープニングからやっていて居心地もよかったバイト先を半ば強引にやめた。
やめた理由を友人たちに色々聞かれたが、何とか取り繕うようにして言葉を並べた。
「やめる理由ないじゃん」
確かに。


前のバイト先では人間関係も円滑で、時給もよく、仕事も覚えていたしとても楽だった。
シフトも、自分の希望をかなり反映させてもらっていた。
しかし、やめたのはそれが原因だった。
贅沢者、と言われてしまいそうだが。


今のバイト先では、当然のように知らない人ばかりで、覚えることも多く、時給も前より安い。
シフトも、自分の希望しない日に入るしかなかったりして、学校と両立させるのがなかなか辛い。
どうしてやめたのかと未だに前のバイト先の社員の人たちにも聞かれる。
いつでも戻って来いとまで言ってもらった。
何と幸せなバイトか。


私がやめた理由は、同じ場所で同じことをして満足するのが嫌だったからだ。
多くのことを経験したい。
多くのことを学びたい。
ただそれだけだった。
そのために、今体に無理をさせてまで勉強とバイトをしているのだが。


ずっと同じ場所にある水というのは、何となく離れがたく居心地がいいのかもしれない。
だが、あまりに停滞していると、水は濁って腐るだろう。
私は自分に厳しい方では決してないが、腐るのは嫌だった。
たかだかアルバイトでそこまで考える必要もないのかもしれないが。
継続性、というものも必要なことに変わりないのは事実だろうし。


私は毎日のように笑う練習をしている。
お客さんに、少しでも楽しい時間を送ってもらうために。
最初、そのようなことを言われてもピンと来なかった。
とりあえずお金を稼ぐためにやっているのだという意識が拭えないのもまた否定できないことだし。
でも、せっかく毎日のようにバイトに入っていて、毎日違うお客さんと話ができるのだから、自分も楽しみたいと思うようになってきた。


私が笑うと、お客さんも笑ってくれる。
だけどどうしても疲れが出てしまうことがあるから、私はいつでも笑っていられるようにしたいと思っている。
それが人間として正しいのか正しくないのか、分からないけれど。


多くの人間がいるのだと思う。
自分が抱えていることなど小さいことなのだろうと思う。
それならば、楽しく生きた方が得のような気がする。
うまくいく場合ばかりだとは限らないし、悲しいことも多いけれど、せっかくだから笑う回数を増やしてみたいと思う。


たかがバイトかもしれない。
だけど人間と関わる以上、たかがなどという言葉でまとめてはいけないかもしれない。


私は、日々が悲しくもある一方で、楽しくもあるのだ。
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