Spilt Pieces |
2002年07月08日(月) 色々と |
介護体験に行った。 小学校や中学校の教職免許を取得する場合、社会福祉施設にて五日間の介護体験をしなくてはならない。 介護の体験など今までに一度もない私には、ハードで発見だらけの毎日。 この日は初日だった。 初日から、私は体力的にきつくて仕方がなかった。 前日は徹夜だった。 大学の試験期間とかぶってしまって、課題に追われていたのだ。 四日で三徹。 もうふらふらで、出かける前に親に「あんたが介護されないようにね」なんて皮肉めいたことまで言われてしまった。 施設に入ると緊張したのか、不思議と疲れは気にならなかった。 自分の睡眠不足なんかより、ずっと大きな衝撃が自分の中に何度となく入ってきたからだ。 最初に、利用者の歯ブラシを洗った。 次に、トイレで利用していた人のズボンを上げるのを手伝った。 お風呂で体を洗ってもらって上がってきた人たちの髪を乾かしたり、足や手の指一本一本に水虫の薬をつけたりした。 自分の父より年長であろう男性たちの足に顔を近づけて薬を塗り続けることに抵抗がなかったわけでもなかった。 施設の職員の人には、こういうことをやってくれと簡単に言われただけだった。 おむつを替えに行くのについていった。 五日間では覚えるのは無理だろうねと言いながら、それでも少し覚えましょうと言われた。 最初のものすごい衝撃。 男性のおむつ交換を見た。 見られている方が大変なのは分かっているつもりだ。 私だって、そんな姿を若い男性に見られたいなどとは決して思わない。 だが、それでも、私はショックだった。 顔に出さないようにするので精一杯だった。 目のやり場に困った。 食事介助をした。 叫びながら嫌がる人、いくら入れても口から出してしまう人もいたが、私が介助をしたのは時間はかかるがきちんと全部食べる人だった。 ゆっくりゆっくり会話をした。 彼は将棋が好きなのだと言った。 だけど施設内の人に自分より強い人がいないのでつまらないとも言った。 会話ができないだろうと思っていたのに、普通に会話をして笑った。 今まで抱いていたイメージと違う。 何だか、色々感じるところがあって、一体どう表現したらいいのやら。 たったの一日で言葉で表現しきれないものを感じるというのに、五日間を通してみたら、どれほど何かを得られることだろう。 義務だからと思って正直憂鬱になっていた。 そんなことはないのだろうと、最初に思った。 |
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