Spilt Pieces
2002年07月28日(日)  おしゃべり
今年に入ってから話すようになったクラスメイトは、高校一年のときから付き合っている彼女と遠距離恋愛をしていると言った。
「ふーん、すごいね」
私は何となく答えた。


彼が遠距離恋愛をしているというのは一年のときから知っていたが、特別話す機会もなかったので、最近初めて声を知ったというレベルである。
硬派だと思った彼は、確かに硬派ではある。
ただ、思っていたより色んなことにずっといいかげんで、思っていたよりずっと好き嫌いの激しい人なのだと感じた。
遠距離でそれだけ恋愛を続けていられる人だからどれだけ人間的にどれほどできた人なのかと今までずっと思っていたのだが、そうでもないことに気がついた。
全てはタイミングらしい。
ちょっと親近感。


勉強しながらのちょっとした息抜きは、なぜだかすぐに終わったはずの会話を復活させた。
いつから付き合い始めたのか、どっちから告白したのか、などなど。
いつの間にか、勉強のために時間を合わせたというのにおしゃべりの方が長くなってしまっていた。
そんなに長く話せる人だとは思っていなかったから何だか意外。
なぜだか部屋にまでお邪魔してしまった。


彼は、私がよくしゃべるからしゃべってしまうだけなのだと言った。
確かに私はおしゃべりなのだが。
おしゃべりな人間は嫌いらしい。
ということは、私のことも嫌いなのかと思ったが、表情から察するにそうでもないらしい。
かと思ったら、話したこともない我儘な別のクラスの女子のことを挙げて、「話したことはないがあの人大嫌いだ」と言う。
本当のところ、考えていることがよく分からない人のように思う。


分かったのは、彼も普通の人間だということ。
当たり前だけど。
ただ、私は今まで遠距離で恋愛ができるような人なんて、私には考えられないような位置にいる人だとばかり思っていた。
恋愛経験のない私の勝手な思い込みだと知ったのは、つい最近のこと。


人それぞれ速度は色々。
ごちゃごちゃ考えすぎることほどどうでもいいことはないと、涼しくなり始めた部屋の中でぼんやりと考えたりする。
私も彼も、色んな感情を持った人間であるということに変わりなし。
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