Spilt Pieces
2002年08月22日(木)  言葉と遊ぶ
文章を書くことが好きだった。
下手の横好きとはよく言ったものだ。
今も私は紙とペンがあれば現実逃避することができる。


以前はこの日記、日記じゃなかったと思う。
一応公開しているからというのもあって、気にしていないと言いながら文体を下手なりに考えたりしているときがあった。
そんな自分に気づくとき、何となく悲しくなったりしたものだ。


言葉と遊ぶことができなくなって、今私は自分の語彙力のなさに嘆きながら、それでも初めて思ったままのことを書くようになり始めた。
たまにさぼってはいるけど、毎日書くというのはすごいことだな。
書くことで知る自分というのもいる。


全く関係ないけれど、運転しながらふと考えたこと。
悪口を言いまくった相手のよさに気づき始めて、自分のことが嫌になるときがある。
褒め殺ししていた相手の悪いところばかり目について、がっかりすることがある。
人間関係うまくいくには、きっと後者の方がマシなのかもしれないけれど、気づかなかった発見ができた喜びという意味で、前者の方がいいかもしれないなと思う。
だってトータルすると、前者の方が考え方がいい方に転んだということだから。


再び関係ないけど、今日英会話に行ったら、他の生徒が全員休みでいきなりプライベートレッスン。
安いコースとってるのにものすごくラッキーだった。
ただ、私は先生ともっと色んなことを話してみたいのに、英語力がないから(もっとも、ないから通っているのだが)身振り手振りで口が動かない。
悔しい。
言葉は目的じゃなくて、手段だと思う、心から。


最近本を読んでいる。
以前ベストセラーになった、「病院で死ぬということ」という本を、今になって初めて読んだ。
末期癌の人のことが書いてあった。
癌で逝ってしまった祖母のことを思い出さずにはいられなかった。
だけど涙は出なかった。
祖母は、たくさん頑張り抜いて逝ったから。
本を読み終えて残ったのは、ごちゃごちゃした小難しい感想はともかくとして、胸の奥を締めては押してくるような、そんな感覚。
ああ、こんなときはほんと、語彙力が欲しい。


サークルの先輩が好きだと言っていた灰谷健次郎を読んでみた。
おもしろくて目下はまり中。


恥ずかしながら、本を読むことを久しく忘れていたような気がする。
ちょっとした空き時間にヘッドホンをしながら本を開いていると、毎日のように本を開ける時間を楽しみに待っていた幼い日を思い出した。
知識をつけたいとかいう目的なしに、ただ本を読める幸せ。
ずっとずっと、忘れていた。


ベッドサイドに本を置く。
物理的に今欲しいものは何もない。
心だけが、渇いたと言っては嘆く。


本の魅力に酔ってるうちに、少し心も麻痺させて、このまま幸せなフリでもしてみようか。
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