にっき日和
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ちょっとショックなことがありました。
残業が終わり、自宅に電話を入れたときのことでした。
電話口に出たのは、父。
そこでわたしは、すこしばかり、いたずら心が芽生えてしまったのです。
「○○警察署の者ですが、お宅の娘さんが事故を起こしましたので、
大至急お金を振り込んでもらいたいのですが」
・・・・いわゆるオレオレ詐欺のマネをしてみたのです。
父を試そうと考えたわけじゃないんです。
そそっかしい母と違い、しっかり者の父のことですもの、
即座にバレて、笑い話になるものと思っていました。
が、父の反応は予想と少し違っていたのです。
すこし沈黙した後、慎重な口ぶりでこう言いました。
「娘がそこにいるなら替わってください」
おいおい・・・・・・・・・・・・・( ̄◇ ̄;)
同居している娘の声が、わからないのぉ〜〜〜〜???
わたしは別に、裏声使っていたわけじゃないのよ〜〜。
だって、すぐにばれるとばかり思っていたから。
「おとうさん、わたし!わたしだよ!!」
意外なことにすっかり慌ててしまったのは、わたしの方。
「悪い冗談だよ!」
ムッとした父は、黙って電話を切ってしまいました。
まぁ、しかし・・・・・
電話口に本人を出させようとしたこと、
やたらと名前を呼ばなかったことなどは、
いちおう評価しますけどね。
さすが父、その辺は慌てずキッチリ押さえておりました。
なぜわからなかったのだろう、わたしの声が。
事故と聞いて、気が動転していたのかしら?
それとも、耳が遠くなっているのかしら?
いつのまにか父は、
わたしが思っているよりずっとずっと、
おじいちゃんになってしまっているのでしょうか?
悲しいような不安なような・・・・・・・
なんとも形容しがたい複雑な思いが、
わたしの心を覆ってゆきます。
合言葉でも作ろうかな。
家族間でしかわからないような・・・・・
「山」と言ったら「川」と答えるとか・・・・ね。
・・・・・・オレオレ詐欺には、注意しましょう。
ぴょん
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