パンドラの箱
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ずっと、感情が麻痺したように、涙が出なかった。 苦々しい想いで、胸がいっぱいになり、吐き気ばかりがして、 涙など一滴もこぼれなかった。 悲しいのに、涙が出ない。 これほど苦しいことはない。 だからどんなに前を向いて歩いて行こうとしても、 力が足りず、振り向いてばかりで、立ち止まってしまう。
アナタとの逢瀬で、 お互いを愛で、欲しいままに求め、心を開いたあと、
一筋の涙がこぼれた。
ああ、これで、想いが浄化できるのかもしれない、 そう思ったけれど。
でもそれは、封印していた数多の傷を、掘り起こし、 私は分解されてしまった。
置き去りにされた記憶。 突き放された記憶。 吐かれたウソの数々。
お願いだから。 もう2度と私をひとりにしないで。 あの人も あの人も あの人も みんな約束したのに。 反故にされた約束ばかりが取り残されて。
涙が止まらない。
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