2002年05月26日(日) |
草津温泉の熱帯圏にて |
恐怖のサル使いに出会った。 彼はしわがれた声を嗄らしながら二匹のサルと一緒に しきりに芸をしてくれた サルたちが「大漁うたいこみ」をバックに 舟をこいだり 「草津節」とともに湯もみといって、温泉の中を板で まわしたりする 鞠の上にのったり、竹馬にのったり、サルたちも容易でない様子 そしてサル使いは、ひとしきりのサルの芸の後、 このサルは去年フジテレビの仕事によばれてーなどと サルの自慢話が絶えない この温泉街の動物園で何十年と サルたちと芸をして生活しているのだろう
サルはすでに疲れ果てているようで サル使いのおじいさんが「おねえちゃん!」とそのサルのことを 呼ぶが、なかなか素直に反応せず 笑って人を小馬鹿にしたような様子でおどけてみせる おじいさんはいよいよ頭にきて さけんだり、サルをおいかけたりしている その様子のほうが可笑しかったりして 「ああ…サルと私たちってそう遠くない生き物なんだなぁ」などと 思いながら サルが何考えてるのか頭の中をむしょうに知りたくなり 人とのコミュニケーションの前にサルとのコミュニケーションに チャレンジしてみたくなる そんなサル使いとサルさんたちの…そう、同じ類人猿としての、ステージだった。
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