中学入学と同時に親が家を建てて引っ越しました。それから間もなくして父の仕事の取引先である材料屋の所長がきて犬を1頭置いていきました。その頃でもう十分歳を取っていたので、私が高2のこの時期には15,6歳にはなっていたはずです。
私の家の人間はほとんどといっていい程散歩はしなかった。もちろん私も含めてなんですが、彼女は毎日散歩の時間になると(ちょうど私の帰宅時間あたり)小さい体で仁王立ちになって私を促したものです。拘束されているチェーンから離してやると彼女「ロン」はすっ飛んで散歩に出かけたものです。今思うと、良く毎日無事で帰ってきたなぁと思います。たまに帰りが遅い時は外に出て探しに行くのですが、裏のヤブにてこずって出て来れなくてキューンと泣いていたり、隣の家の縁側に座って夕ご飯のおこぼれに与っていたり、体中にウン○をつけて申し訳なさそうにドアの前をウロウロしていたり...。
ロンの中では家族の中での位置付けがあって、毎日ご飯をくれる母が最上位。
母 父、姉 ロン 私
という順位でした。なので私がちょっかい出してもハナであしらわれるんです(笑)。 「子供は黙ってろ...」って感じで。ははは。それでも私はロンが大好きだった。
ロンが子供の頃、人間にいじめられたそうで、安易に心を許さない感じだったロンでしたが、私が接しているどんな人間より、彼女は素直だったし、家に帰ると私は飽きずにロンに話し掛けていた。
私はロンが本当に大好きだった。
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