それまで休み時間は大抵教室におらず隣のタケダ君のところへ行っていたのですが、演劇発表会が終わったあたりでしょうか、教室の自分の席に留まって文庫本を読む機会が多くなりました。新しい人間関係が生まれていく中での発展途上な状態、要は話を合わせたりお世辞を言ったり持ち上げたりして相手の性格を探るのがめんどくさくなったからだ。かといって自分のクラスでボケッと過ごすのは得策ではないという気持ちもあったでしょうか。
恥ずかしながら、私はこの頃生まれてはじめて自分のこづかいで純文学系の文庫本を買いました。それからというもの、暇さえあれば放課後は本屋に行ってから帰宅というパターン。ただでさえガキなので無い知識をそこに赴くだけで色々と満たしてくれる場所でしたね。まあ今現在博学か?というとそうでもなく、明らかにあの頃の方が知識はあったし真剣でもあった。
最近は店舗が大型化して売れる本ばかりを並べる店が多いのですが、昔は近所のソコソコ大きな本屋でも平気で売れない専門書を置いていたり、やたらと1分野にこだわって本を入荷していたり、それを探したりする楽しみが本屋にはありました。今近所で一番大きい本屋はツタ○なんですが、はっきりいって私にはどうでもいいような本屋ですね。
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