もともと帰宅部同然だったので夏休みともなると学校に用事などは無い。それでもニワトリや金魚の世話があるので1週間に1度は通っていました。いかない間はどうも用務員のおじさんが見てくれていたようです。このおじさん、素性は知りませんが、私が入学してから毎日学校で挨拶をする唯一の人でしたね。 夏休みのチャリ通は汗だく。それでも家で黙って考えているよりは気分も晴れる。
自分はいったい何がしたいのか? 何をそんなに考えているのか?
星空のこと 嶋さんのこと タケダ君のこと 学校のこと 親のこと 本のこと 「人間」ということ 「無力」な自分のこと 生物のこと 死ということ 自殺ということ
それは無気力へのいざない。
うだるように陽炎を漂わせる街 そこに流れる停滞した水面と鯉 鬱蒼とした茂みの中にあるような児童館の入り口 過剰に冷え切った本屋 安堵をくれなくなった生物室 「滅」という名の甘美
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