あお日記

2002年07月02日(火) 変化した夏


 この夏で憶えていることは、2つの水辺に遊びに行ったことだ。

 1つは市内の清流にロンを自転車の前カゴに乗せて行ったこと。2つ目は終戦記念日に葉山へ海水浴に行ったことだ。


 休み時間に隣のクラスに行かなくなってから、タケダ君と顔を合わすことの無い日が多くなっていった。そういった時間のギャップは、それがどうでもよい関係であればそうである程に、確実に人間関係を衰退させて余りあるものだ。ただ私たちにはそれが無かった。

 不思議と彼は頃合のよい間隔で連絡を入れ、私を遊びに連れ出したのである。

 ロンは泳ぐのが上手であった。地元の子供達に混ざりながら小さな体で流れに負けまいと泳ぐ。葉山はやたらと遠くてどうやって行ったのか記憶にない。海で泳いだ記憶は無く終戦記念日のサイレンを正午に海辺で聞いたのと葉山の御用邸が場違いな建物だったこと、そしてバス移動の間ずっと乗り物酔いだったこと、クラゲに刺されて海くんの腕がはれ上がっていたこと、そんな記憶だけが残っている。あとは「心から楽しんではいなかった」ということ。愛想笑いなどは自分自身最も忌み嫌っているものだったので、この日の自分はかなり仏頂面だったはずだ。最もそんなものが必要な友人などいないほうがいい、くらいに思っていた。

そんな自分でも、敬遠することなく接してくれたタケダ君には今でも頭があがらない。


 「ひとりでいたい」 それが当時の私が持っていた率直な希望だった。社会に対する反発は過剰な道徳心に支配されていたからだ。それは中学の頃に大人から植えられたものに過ぎなかった。「考える」ということで私は受動的なそれから逃れることになったが、それが自分自身に対する失望に変化する。
 社会がどうとか周りの人間が気に入らないとか、そういうことを考えている自分を笑うようになったこの夏。

そんな私に嶋さんは「色々考えるのは君のよいところだと思うよ」と言った。





↑エンピツ投票ボタン


どうも彼女のほうが私より少し大人だったかな(笑)。



 < 過去  INDEX  未来 >


あお [MAIL]

My追加