あお日記

2002年07月12日(金) 進路


 私の高校は進学校のクセに専門クラスに分けて編成するのが3年からだったので、2年生の秋はそのクラス分けの希望調査がありました。ちょうどその頃私の前の席にランさんが座っていて、後ろの席からそれを回収して前に渡す時に「へえ〜理系なんだぁ〜 すごいねえ」といった彼女のセリフを今でも覚えている。
 「いったい何がすごいんだか...」といった思いで苦笑を返したはずですが、私の苦笑は我ながら嫌味に欠けるらしい(笑)。全くの余談ですが、授業中彼女は前の席でその肩のちょっとしたあたりまで伸びた豊富な髪を大げさに掻き揚げる動作に何回も遭遇しました。クセなのかもしれませんが、そのたびに黒板が見えなくなるんです。正直うっとおしかったのですが、彼女の白髪は掻き揚げるたびに中からいっぱい出てきて、その濃紺のない均一な銀色をしたランさんの髪をぼんやり見つめる刹那は嫌いではなかった。

 その頃の私は漠然と大学に進学することしか考えておらず、「いったい自分は何を学びたいのか?」その事を考えていればいいだけの状態でした。しかし自分の考察はより具体的な結論を導いてはくれない。それでも現実に「クラス分け」というものが存在する以上、ある程度の方針は決めなければならない。





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いったいどれが自分を「生かす」道なんだろう? と本気で悩んでいた16歳の秋



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