2002年07月17日(水) |
夢 睡眠 ノイローゼ |
この頃からタケダも私も勉強はそっちのけで調べていたことがあった。その成果を見せ合った訳ではないので彼のノートの内容は良く分からない。私は特にノート等に書き出していたわけではなく主に本を読んでいた。
タケダのノートには「夢 睡眠 右脳 悪夢」等の単語が多く並んでいた。彼は出会ったときから知能指数がどうのこうのと、私から見れば非常に滑稽な物差しで自分を支配していた。いや、支配されていた、といったほうが正しいのだろう。タケダの詳細な過去など未だに知らないしむしろ過去などは当時からどうでもよかった気がする。この高校に来てからタケダの考え方はかなり柔軟というか鈍化というか、とにかく変化していったように思われる。それはわれわれ仲間達には歓迎すべき変化であっただろうか。
私の興味はもはや自分のことだけだった。「自分は精神的な病なんじゃないか?」と疑い始めたのがこの頃。それを冷静に観察している自分。色々と調べた結果がクロでもシロでもどちらでもいいというのが正直な気持ちだったろう。
で、結果私はどうも病気ではないらしい。精神病と精神衰弱の違いは「自分は『病気なんじゃないか?』と疑っているか否か」で判別できるようだった。それすら疑わなくなった人間、要はそれが病であり「狂っている」ということだと。
まあ、こんな単純な線引きで見分けがつくなら医者などいらないんでしょうけどね。幸運なことに私は上の様な理由で自分が「病気だ」と思い込む状況からいち早く脱却した。
では一体、私は何者なんだ?
「死は冒険だ」などと本気で思っている自分は、いったい?
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