坂の上の高台にあるその高校は通学からして過酷だった。 自宅からは自転車で15分の距離だったが 交通の便が悪く、雨の日はバスで30分掛かった。
入学直後、 そのとき自分が何故そう思ったのか今でも分からないのだが、 苦手な運動を克服して弱い体を鍛えようと 体育会系でも一番厳しいと部活を選んだ。 入学式後に女の子に吹奏楽部に誘われたのに、 硬派にそれを断って、だ。 全く今じゃ考えられない。
そのスポーツは誰もすき好んでやるようなものでは無いので、 競技人口が他のものに比べてとんでもなく少ないのだが、 態々そんな部に集まるのは校内の少し可笑しい奴ばかり。 毎日笑うには事欠かなかった。
まるで勉強もせず、高校生らしい恋愛も縁が無かったが、 そのお陰で良い友人と骨格と思い出を得られたようだ。 今でも毎年夏になると集まるのだが、 彼らといる時は全然時間を感じさせない。 そして当時の顧問の先生も未だ怖いままだ。 その度に、焼けつくような日々が永遠に続くと思った、 あの時を思い出す。
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GWが終わって久しぶりの出社は過酷だった。 満員電車に急病人が出たとアナウンスが入ると、 何人かがつられて気分が悪そうに途中下車するような有様。
会社につく頃には既に疲労困憊で、 確か「日本の通勤はその日のエネルギーの40%を消費する」だったか、を 身を以って体験したという具合。 でも、休みが明けての仕事だったので、張り切って、頑張った。 午前中までは。
午後はコーヒーばかり飲んで、 打ち合わせで判ったような口を利いてやり過ごす。 外は霧雨。傘は頼りない折りたたみが一つ。 色々な事を考えながら帰路についた。ツライときにこそ書くべきだと思う。
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