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香水の思い出
2003年01月14日(火)

久しぶりにゆっくりホームページを巡り歩いていて懐かしい香水の瓶をを発見した。

あれは、まだ、学校を卒業したばかりで、お化粧の仕方もわからず、それゆえにこそ化粧品店に足が向いていた。
おずおずと足を踏み入れた私は、悲しいかな実年齢よりかなり年上に見られていた。
化粧品店に入ることさえ初めてだったので、年齢のことはとうとう言えずじまい。
それで、言われるままに椅子に座ってそのころで言う「美容部員さん」にはじめて顔をいじってもらったのだ。

これくらいの口紅はつけなくちゃとか、アイラインはこう入れてとか、言われるまま、されるままで、まるで自分ではない顔が出来上がるのに抵抗さえできなかった。
その時に見つけた、ホワイトローズという香水。
綺麗な瓶に入っていて、とてもいい香り。

というよりも、薔薇の香りだと言うことと、容器のデザインの美しさとに、すっかり目を奪われてしまっていた。
化粧をしたことで、それが似合ってるのか似合ってないのかさえ判断つかないくせに、大人の仲間入りをしたような気分に陥っていた。
そして、少しでも大人に見られたいとも思っていた。

心の中に大きなさざなみが起きて、もう収まりがつかなくなっていた。
化粧品を一式とその香水を買うとなると大きな決心が要る。
そのころ、就職したばかりで、1月分の給料は、この化粧品と香水は同時には買えなかったのだ。
その時心の中に沸き起こった波は結局抑えることはできず、思い切って香水を買うことにした。

綺麗な瓶にはいった香水は、綺麗な布がしいてあった。
でもその香水を使うには、アトマイザーが別に必要だった。
結局、アトマイザーも形が素敵で、銀色のライターのようなタイプを選んだ。

持っていたお金を全部はたいて、香水を大事に持って帰るとき、私の心には羽がはえていたような気がする。
駅のトイレに入り、自分の顔ではない、つけてもらった化粧は全部洗い流し
やっと平常心を取り戻しながら、それでも香水の瓶をしっかり抱いてほかのことは何も考えずに家路に着いたような気がする。

でも、日常的に香水を使うことはなく、いつの間にか鏡台の奥にしっかり仕舞いこんでいた。結婚する時も大事に持ってきた。
でもやっぱり、使うことはなく仕舞いこまれたまま。

いまでも、殆ど減っていない。
蓋を開けることがないので、中身も減ることなく香りも残っている。
でも良く見ると、買ったときの透き通った美しさが消え濃い色に変わっている。

あるホームページが、殆ど思い出したことのなかった、あの頃・・・
はじめて世の中に足を踏み出したころのことをまるで、昨日のことのように思い出させてくれた。




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