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最近ちっとも本が読めなかった。 正確に言うと、読もうとしても、頭がすぐに睡眠モードになってしまって気がついたら時間が過ぎているのだ。目覚めているときは真剣に眠らないように病院に行ってみようかと悩むくらい。原因のひとつは飲んでる薬のせいでもあるのだけど、それにしても眠い。どうすれば眠らずにいられるのだろう。 椎名さんの本はそんな私にとても優しく語りかけてくれた。 中で一番よかったのは「娘と私」 椎名さんのお家の中を窓の外からのぞいてるようなそんな錯覚を覚える。 娘の「葉ちゃん」の独特の言葉がまたいいのだけど。 息子の岳君が短期の留学に行く日の見送りのとき、あせる椎名さんを尻目に「大丈夫よおとうさん、だめだったら今日家に帰ってくるでしょう。ここでしくじっているくらいならあっちへ行ってもきっと大騒動だとおもうからこれがちょうどいいテストになるわ」という。 すごい娘だと思った。彼女のこんな鷹揚な所はきっとお母さん似なんだなあと感心しながら読んだ。 私にも、これくらいの鷹揚さがあったら子供たちもきっと違った風に育ったろうな。 椎名さんの奥さんという人は、すごく魅力のある人だ。 たくさんの不思議を持ってる人だ。 彼女は「人生のヨロコビと人生のシアワセは違うものよ」という。 このご夫婦はお互いを尊重しあってるがもたれあってはいない。 だからお互いに相手に自分を押し付けることをしない。 踏み込むべきでないところは決して無理押しして入ってくることもしない。 ああ、こんな夫婦が実際にいるんだなあと、読み進むほどに心が温かくなっていった私である。
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