日々の思い

ひばり【MAIL

My追加

キムチ論争
2005年01月31日(月)

先日、キムチナベをしたときのことだった。

主婦としては、田舎の母が作ってくれていたキムチがそろそろ酸っぱくなってきていたのと、韓国の人が作った本格キムチを頂いたのでそれを早く食べたいとの目論見を家人に知られることなくいかにも美味しそうだからとナベを囲んだ。
いつもは、キムチは少量にして白菜などの野菜をたっぷり用意するのだけど、裏事情があったため大量のキムチをいためてなべに入れていた。

それを見た、我が家の主人は突然目の色を変えて大声を出した。

「キムチナベといったのに、これは漬物ナベではないか?」

「キムチナベに、白菜の漬物が入ってるなんておかしい。こんなのは食べたことがない」

と、怒り出してしまった。

「だって、キムチなべだもの、キムチが入っていて当たり前でしょ?」

「いや、ちがう。これまで自分が食べたキムチナベは、白菜の漬物など入っていなかった。あの赤い汁(キムチの素)と、だし汁(昆布でとった)だけが入っていて、あといろいろの野菜を入れて食べるのがキムチナベだ。こんなのはキムチナベじゃない」

と、いつもと違って、相当頑強に言い張りだした。

「でも、いつだったか、ちょっとすっぱくなったキムチをごま油でいためて入れるとそれがいい味を出すから韓国のキムチチゲはそうするんだって”ためしガッテン”でやってたんだよ」

と、私も譲らない。

でも、相手を怒らすと都合が悪い私は(だって、白菜キムチを入れすぎてるのは十分わかっていたから)ずっと下手に出てゆっくり、穏やかに話すのだ。

そのうちに、夫の言い分をよくよく聞いていてびっくり。
なんと、夫はキムチとはあの赤いキムチの素そのものがキムチだとこれまで思い込んでいたのだ。

そこで、”白菜キムチ”は、キムチで作った漬物つまり”朝鮮漬け”だというのである。
だから、キムチナベは”白菜キムチ”を入れると漬物を入れることになるからだめだと、いう論争になったのだ。

「でも、お店にキムチを買いに行ったら赤いキムチの素(唐辛子やその他いろいろ)がたっぷりまぶしてあるあれを買ってくるでしょ?あれはなんなのよ?」

そうきいても

「だからあれは朝鮮漬けだ」と、一歩も譲らない。私と息子はあっけにとられたが、最終的に
「ではちゃんと食事が終わってからインターネットで検索することにしよう」ということで、とにかく
キムチナベらしからぬ漬物ナベを食べ終わった。

パソコン画面に現れた、キムチやキムチの素に夫は、呆然。

その納得のいかない様子を見た私と息子はこれまた呆然。

最後は何とか治まったけれど、これまで夫と住んで30年弱、夫がキムチを素そのものと思っていたなんてなんてこと・・・・
ほかにも、そんなことがあるのかもしれないと、得体の知れない感覚に襲われた私だった。

でも最終的に、残った”朝鮮漬け”はすっかり平らげられて私としては一石二鳥で作戦成功だったのだ。




BACK   NEXT
目次ページ