パラダイムチェンジ

2006年02月01日(水) THE 有頂天ホテル

2月1日の映画サービスデーに、「THE 有頂天ホテル」を見てきた。
本当は他の映画にしようと思ったんだけど、やっぱり気楽に笑いたい
なあ、という気分になったので。

この映画を一言でいうなら「2時間きっちりと笑わせてくれて、最後は
ちゃんとスカッとした気分にさせてくれる映画」である。

物語の冒頭からくすぐりの連続で、腹を抱えて笑えること間違いなし。
ついでに言えば、やっぱり大きな劇場で観た方が、周囲の人たちの
笑い声に包まれる温まった空気の中で思う存分楽しめるんじゃないかな
と思います。

この映画に関しては四の五の言わずに、できれば事前の情報を極力入れ
ないで、劇場で楽しむのが一番だと思います。
だから以下に書く事は蛇足というか、既に見てきた人推奨という事で。
まだの方は見てから読むことをお勧めいたします。






といって、大したネタがあるわけでもないんだけど。以下箇条書きで

・映画自体は三谷オールスターズというか、監督、脚本の三谷幸喜の
過去の作品にゆかりのある方たちが、カメオ出演も含めて多数出てい
るのが、三谷ファンにとってはたまらない内容となっている。

チラッと出てきたあたりでは、冒頭の「みんなのいえ」の主役カップル
(ココリコ田中・八木亜希子)に始まり、「新撰組!」の坂本竜馬のそばに
いた望月亀弥太役の人とか、はたまた池田成志(三谷脚本の舞台、「ヴァ
ンプショウ」の演出もしたことのある俳優)なんて、セリフ一言もないの
に、変な踊りを見せて最後にもちゃっかり出ているし。

また、東京サンシャインボーイズ出身の役者、近藤芳正や梶原善も、
おいしい役で出ている。ラスト近くにチラッと出ている相島一之は、
badddreamfancydresserのれいこさんも触れている様に、「新撰組!」
の新見錦と芹沢鴨の絡みなのだろうし。そういえば香取慎吾と佐藤
浩市の組み合わせもそうか。


・映画の内容に関しては、男はだらしなく、女は芯が強くて、という
感じで。
特に印象に残ったのは、やっぱり松たか子かな。
「ミスサイゴン」、昨年の「贋作・罪と罰」を見ていてもやっぱり実力
あるなあ、というかコメディエンヌとして得がたい存在だと思う。

他の女優さんたちも含めて、この作品の中の女優さんは皆輝いていた
と思います。
戸田恵子に関しては、この映画の中の戸田恵子と、プロモーションで
三谷幸喜監督と一緒に出演していた時の戸田恵子本人が重なっている
感じで。
とすると役所広司演じるキャラクターと、三谷監督が重なっているの
かも。


・で、その役所広司のパートに関しては、三谷作品の中でも、最も
苦手というか、生理的に勘弁してほしいシチュエーションなのが、
個人的にはちょっとつらくて。

多くは語らないけれど、火が出るほど恥ずかしいというか、格好悪い
というか、身につまされるというか、トラウマに近いのである。
三谷幸喜はこのシチュエーションを時々使うんだけど、同じくこの
構造を使ったドラマ「HR」は、だからちょっと苦手なのだ。

さっきの仮説とあわせると、この構図は三谷幸喜の実体験なのか、
だとするとそれを演出している時の三谷幸喜は、サディスティック
なのか、マゾヒスティックなのか。

なんてことはおいとくとしても、個人的にはどんなホラーよりも、
はたまたサスペンスよりも、イヤな汗をかくというか、恐怖の瞬間
でした(滝汗)。


・あと、個人的に一番ツボにはまったシーンは、追い出された直後、
ホテルに潜入を試みる篠原涼子と、なんか変な打楽器を持っただけで
笑わせてくれた西田敏行。なんてことはないシーンが笑いにつながる
ので、気が抜けないというか。


・以下はツッコミ。
寺島進のマジシャンは、何で白いドーランがなくなったことにあんな
に怒ったのか、と思ったらトランプマンだったのかよ!

ホテルのアスレチッククラブに、フライトアテンダントの格好のまま
来るのかよ!みたいな。


・でも、おそらく麻生久美子の役回りは、香取慎吾がこのホテルで
ベルボーイをやっている姿を時々見ていて、話しかけるきっかけが
ほしかったんだろうなあ、というのは勝手な思い込みですが。

思い込みついでに書くと、唐沢寿明と、オダギリジョーの「かつら
ネタ」は、役自体が地味な分、格好でおいしい役に三谷監督がして
あげたのかなあ、なんて思ってみたり。

なんか一人一人の役者さんに(チラッと出る人に対してまで!)見せ場
というか、売りを作ってあげているあたりが、三谷幸喜が役者さん
たちに愛されている理由なんだろうなあ、と思うし。

そういえば近藤芳正の「福耳」は、父親役の津川雅彦もおそろいだった
ような。最後に松たか子が近藤芳正の耳をひっぱるのがちょっと
かわいかったという感じでした。

いやあ本当に思う存分、楽しませていただきました。


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harry [MAIL] [HOMEPAGE]

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