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■ 広島出張編その2
明くる朝、僕は親父の声で朝の6時に叩き起こされた。
『なんじゃい、こんな朝っぱらから!!』
実際はこんな風にふてぶてしく怒ってみせたわけではなく、「なんだよー、寝かせてくれよー」と、弱っちく毛布にくるまっていただけだ。
なぜ親父はこんな朝早くに僕を起こしたのか?理由は2つある。
一つは、親父は朝の早い仕事でそのくらいの時間に起きて仕事に行く。そんなとき家族は寝ていてたいてい暇なんで、久々に帰って来た息子にちょっかいをかけたんだろう。
もう一つの理由はその親父が発した言葉にある。親父はこう僕に言った。
「お前いつ大阪帰るんや!帰るんじゃったらさっさと帰れ!!」
別に親父と僕はそんなに仲が良い方ではないが、こんな風に勘当まがいのことを言われるほどの関係でもない。
僕は2、3月にタイに旅行に行っていた。この話はいずれ書き込んでいくだろうと思ってるんだけど、まあそのときにあることで親にすごく心配をかけさせていた。なので、こっちに帰って来てからは、親には「今年はちゃんと学校に行く」と言ってたんである。
そんな息子がひょっこり帰って来て、その理由が「遊びに帰って来た」というわけだから、そりゃ怒って当然だな・・・
親父:「いつまで寝とんじゃい!起きんかい!」 自分:「そのうち起きるわー、まだ6時じゃん・・・」 親父:「お前どうするんや、そんなんで!」 自分:「どうするって、あんた・・・どうもこうもないわい」
はっきり言って支離滅裂である。プッツン親父対寝惚け息子の戦いは不毛に終わった・・・
8時。母親に別れを告げ帰宅の途に就く。 奈良美智展が現代美術館で開催されているのを観る暇がないのは心残りだ。 大阪でその展示会はすでに終了していたが、そのとき僕はそのことを知らなかった。
『チェッ』『チェッ』『チェッ』
チャンスはしっかりそこでものにすべきである。
2限目が始まるのは10時半。終わるのは12時。僕は思った。
『間に合わない』
その日の授業はその授業しかなかった。
『とりあえず帰ってみるか』
僕の読みは大いに甘かったということをこのあと思い知る・・・。
12時ジャストに学校に着いた。
『間に合ってないじゃん!!!』
心の中で目一杯叫んでいた。それは授業に間に合わなかったことと、間に合うはずもないのに奈良美智展をあきらめて帰って来てしまったことへの精一杯の叫びだった。
そんな僕に追い討ちをかけるようなことが・・・
友達に電話した。
自分:「今日のOO、どんな授業やった?」 友達:「その授業、今日休みやで・・・?」
・・・所詮人の人生なんてこんなことの繰り返しなんだろう。
『こんなことなら奈良美智展観てくりゃ良かった』
教訓:逃した獲物はいつも大きい
2002年05月28日(火)
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