キッシンジャーの日々
キッシンジャー



 京都遠征前編

久々に京都へ行こうと思った。
学校の部室に届いていたR大の写研の写真展のフライヤーを見つけ、
まだ開催中なので行こうと思ったのだ。


んで、昼くらいに目覚めて、

「出発するか・・・」

と独りごちた。

それから、腹が減っていたので、昨日バイト先で買ったパンをバクバクと食った。
食いちぎった。

腹が満たされ、

「ゲップ」

一息ついた。

この辺から、もうすでにめんどくさくなっていた。


めんどくさいめんどくさいめんどくさいめんどくさいめんどくさいめんどくさいめんどくさいめんどくさいめんどくさいめんどくさいめんどくさい


こうなるともう動けない。惰性にまみれ始める・・・


嗚呼、ダメ人間!!!!!!!!!!!!!!




気付いたら、夜の7時だった。
とりあえず、残っていたパンを食った。
食い漁った。

てか、最近パンしか食ってねえ。

「よく飽きないね」

と、バイト先の同僚にも言われた。

僕はお得なのかわからないが、食に飽きというものが無い。
おかげで、毎日吉○家でも大丈夫・・・
なような気がする。
したことないけど。


横道に逸れたので、話を戻そう。


パンを食い終わって、京都の友達へメールした。

「やっぱ明日行くことにします」

ダメだなあ俺ってば、と思いながら送信しようとしたが、
そのとき、ふとある案を思いついた。
それで、続けてこう書いた。

「今から行くってのはどう?」

そして僕は送信ボタンを押したのだ・・・
と同時に、僕は

「またやってしまったよおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

と、後悔したのだ・・・


なぜこんな時間から京都に行こうとするんだ、俺は!!



数分後、ケイタイに電話がかかった。友達からだ。

友達:「いい案思いついたで」
僕:「どんなんよ?」
友達:「俺んち泊まって、明日R大行ったらいいじゃん!」
僕:「じゃけえ、そのつもりでメールしたんよね!」

僕は自分から話を振ったにも関わらず、
そのあとに来た後悔のせいで、半ば開き直って友達の誘いを承知した。


嗚呼、なんて身勝手なヤツだ俺って!!


俺だったら、こんなヤツハナっからお断りだっての!!



そんなわけで、その1時間後、僕は京都に向かう阪急電車のなかにいたのだった・・・




車内では暇だったので、ウォークマンで音楽を聴きながら花村萬月の『鬱』を読んでいた。

この本は久々にヒットだ。
性欲と暴力に満ち溢れている。
腐ったこの世をたった一冊で、正確にかつ濃厚に表現している。
と思う。

そんなわけで、河原町に着いた頃には、僕のテンションは抜群に上がっていた。

目の前を通り過ぎる女という女を舐めまわすように凝視しまくった。


キリストなんざ、格好の反面教師や!

ビバ、視姦!!!!



その後友達と合流し、僕らは居酒屋へ向かった。
そこで僕らは久々のよもやま話に花を咲かせた。

僕は開き直った落伍者のようなテンションで、
世の中の不条理をぶちかました。

そんな僕を、友達は説教をたれるオヤジのようにこう諭したんだ。

「世の中なんてもんはぶっちゃけ、妥協とあきらめに満ちとるもんやで」


・・・あんさん、それ言ったらあかんて。


世の中に負け認めたようなもんやで。


そんなんやったら、メールで友達が言ったことの方が真実や。

「欲求不満で腹も立つし、チンコも勃つわ」

てな。



その後、男の一人がなんか複雑な話をもう一方の男と女にしてる3人組をバカにしながら、友達の家に行って酒を呷った。


途中から、女友達もやって来て、3人で酒を飲み交わした。
彼女はその前にしこたま呑んでいたようだ。顔が紅潮している。

それにしても、彼女が遠恋とは・・・
信じられない・・・
そんなんに耐えられるようなコじゃないのに・・・

そんなことを突っ込んで聞いたら、思いがけずキツ〜イ一発を食らってしまった・・・

僕:「よう耐えれるなあ」
彼女:「私も、そう思うわ」
僕:「あ、分かった!周りにエエ男がおらんけえじゃろ?(冗談のつもり)」
彼女:「確かにその通りなんじゃけどね・・・(マジ顔で返答)」
僕&友達:「・・・・・・・・・」

彼女はその後、苦し紛れの弁解をして、

「気持ち悪い」

と言って、便所へ駆け込んでいった。


残された僕と友達は、二人で一つおおきな溜め息をついた。



嗚呼、また一つ幸せが逃げてった・・・




そんなこんなでそのうち、僕らはそれぞれ眠りに落ちていったんだ・・・

2002年12月12日(木)
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