いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2002年12月11日(水) ゴミ屋敷のおばあちゃんと、ドラ焼きを食べる!

11月29日、12月9日の日記で書いた、区内のゴミ屋敷の問題解決に活動している。午前中に、経営している飲食店の買出しに近所のスーパーに出かけたところ、旨そうなドラ焼きが安かった!そうだ、あのおばあちゃんと食べよう、と、2個買って、現場に出かけた。昨日までの寒さとはうって変わって、紺碧の青空の暖かい日差しの中、老婆はゴミの中作業をしていた。”こんにちわ!どらやき食べませんか”と声をかけると、すでに面識もあり、快く応じてくれた。コーヒーが好きだといわれ、自動販売機で缶コーヒーを2本購入して、歩道に座って、二人でドラ焼きを食べた。傍らには、先ほどまで漁っていたであろう、弁当の残飯がちらかっていた。1時間くらいであろうか、双方の生い立ちなどを語りあった。42歳でご主人をなくして以来一人で暮らしていること、クリスチャンであること、何事にも感謝すべきこと、など怒涛のように、しかし、優しい言葉で語ってくれた。私の、幼少時代の不幸には、身内のような目で悲しんでくれた。とてもキレイな目をした美人のおばあちゃんだ。なぜ、この人が、周囲の人に迷惑をかけてまで、こんな凄い量のゴミを集め出したのだろう。私は、”淋しさ”ではないか、と思った。一人で毎日毎日暮らしていると、生きがいやら、人の温かみから遠のいてしまう。その淋しさを消してくれる”生きがい””語り手たる友人”が、この大量のゴミなおだろう。会話では、絶対”ごみ”という言葉は使わないようにした。彼女にとっては、”大切な友人”であり、宝物であるからだ。いよいよ、土曜日には、大切な友人とお別れだ。大丈夫だろうか。またくるね、そういってわかれた。さっきまで、”とんでもない婆さんだ”と、思っていた気持ちが大きく揺らいだ。また、明日も、あの、優しい目に会いに来たい、と本当に思った。夜、さすがに12月。寒さが身にしみる。あのおばあちゃんの家には暖を取るものはあるのだろうか。宝の山の中で、温かい夜を過ごされていることを祈らずにはいられない。


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