いぬぶし秀一の激辛活動日誌

2003年02月19日(水) なんのための制度融資改革だい‥大田区中小企業融資

3年間言い続け、質問し、再三要請し、やっと、大田区の中小企業融資制度の改革が2月1日から実施された。信用保証協会の保証をつけるな、という私の指摘は取り入れられなかったが、以前の制度の問題点はずいぶん解消された。大きな改正点は、以前だと、1つの融資を受けていると、2/3返済しなければ、次の融資は受けられず、融資が受けられても、2本の返済をしなければいけないので、資金繰りは苦しくなる。たとえば、以前の制度で、月10万円返済の融資(残り24回)と、新規に月10万円の返済で480万を借りると、月返済は20万円になる。(わかりやすく利息は無視)ところが、これを一本化(今回の改正)し、720万円を借り、返済を84回(今回から長くなった)にすると、月の返済は85714円となり、月額115000円弱の資金の余裕ができる。返済期間84ケ月に換算すれば、なんと966万円のキャッシュフロー(現金の余裕)ができるのだ。ところが、信用保証協会さんは、中小企業も、大企業も安全性だの、総資本回転率だの、大企業と同じ尺度ではかり、”申し訳ありませんが枠がありません”と、最後通告をする。いいか悪いかは別にして、中小企業は、経営者が誠実で、必死に事業に取り組んでいれば、債務超過だろうが、赤字だろうが、減価償却額で返済できなかろうが、絶対に返済できる。その意気込みをつぶすのが、金融庁の検査マニュアルであり、信用保証協会の”枠”である。一時期、セイフテイネットとかいって、信用保証協会の無担保枠を4000万円から8000万円に広げた、と国会議員たちがえばっていたけれど、モノしらない役人に騙されているだけだ。これは、中小企業信用保険法の、保険枠の限度を8000万円に増やしたにすぎなかったのだ。つまり、限度はひろげたが、審査はそのまま。そもそも、中小企業で、4000万円の枠を使い切り、8000万円までOKになる企業など、ほとんどない。あったとしたら、銀行がプロパー(信用保証なし)でも十分貸し出す企業だ。つまり、絵に描いた餅を、国会議員と官僚で”よくやった、よくやった”と、ほめあっているだけ。さて、今回の大田区の借り替えや、一本化は、お役人にしては、よくやってくれた、と思うが、今一歩である。つまり、信用保証付、という点だ。信用保証枠のある企業は、別に大田区の融資制度を使わなくても、銀行から借りることができる。なぜなら、信用保証付融資は、憎き金融庁の検査マニュアルの自己資本比率に影響しないからだ。ただひとつ、大田区の制度のいい点は、信用保証料(融資残高の1%)を、区が負担してくれる点だけになってしまう。昨年、大田区は80億円余りの剰余金を出した。私は、このうち、1/4の20億円を中小企業の融資、損失補てん基金に追加することを提案している。かなり悪くみて、貸し倒れ率(返済できない会社)10%として、20億で200億円の貸し出しができる。1社1000万円とすれば、2000社に貸し出しができる。それも、信用保証なしだから、本当に必要な会社にまわる。”産業の街、大田区”掛け声だけでなく、本気で取り組んでほしいものだ。嗚呼、今日も、1件、信用保証がつかず断られた。がんばろう!社長さん!


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