蛇腹食堂
書人*なび太

   

  




ツナガッテマスネ
2003年12月06日(土)
血を分けた親子の関係というのは、
本当に恐ろしいもので。

今日の夕方頃、
喉が渇いたので、
湯を沸かして茶を入れようとしていたところ、
なんとなーく家族が全員ダイニングに集まった。

3人分の茶を湯のみにわけ、
席についてミカンの皮など剥いていると、
何故か頭に「鳥の水炊き鍋」がほわほわと浮かんできた。
父と母が庭木の手入れについて語っている中、
僕はただ一人、
黙々とミカンを食べながら、
脳を支配し続ける「水炊き」に思いを馳せていた。

「あー、水炊き、最近食べてねぇなぁ。
 そういや高田馬場で食べた水炊き、
 ウマカッタよなー。
 あれ、店の名前って何だっけ?
 えーと、あぁー、出てきやしねぇよ…。
 ぬぁー、水炊き、食いてぇなー」

そんなくだらない事を考えながら、
1個目のミカンを食べ終え、
次のミカンに手を伸ばそうとした時のこと。
母親が新聞を広げながら、
おもむろに言い放った。

「えーと、なび太。
 今日の夕飯は水炊きだからね。
 棚の上の土鍋出しといてね」



まぢっすか!?

はわー、
これが世に聞く「以心伝心」でありますか!?
いやいや、
ていうか、僕が水炊きのこと考える前に、
母親は水炊き用の買い物を済ませてるわけで…。
どうも夕飯の献立について、
考えを巡らせていた母親の思考が、
僕の脳波にもなんらかの作用を及ぼしたと思われ…、
いや、
なんかそんなドメスティックな科学的作用、
いらないし!気持ち悪いし!気恥ずかしいしっ!

いやー、
シンクロニシティーって本当にあるんですなぁー。
ん。
「シンクロニシティー」って、
その人が何らかの危地に陥る前触れじゃなかったっけ?
え?あれ?
い、嫌だぞ、そんなの嫌だかんな!
この上、何の危地が訪れるってのよ。いやー!!




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