Yさんの欝はますますひどくなり 食事もままならなくなっています 飲み込みが悪いのは 年齢のせいか 欝のせいか クリニックの先生もはっきりとした答えは出せないようです Yさんの食事は ひどい鬱が始まってからミキサー食になり 全てがとろとろとしたものになっています 高齢ということもあり スプーンですくった時点で 半分は流れ落ち 口に入れるときには 全て胸に流れ落ちてしまっています それでもスプーンを口に入れるのですが 口に入れてから 唇で抑えてスプーンを引き出すまでに かなりの時間がかかってしまいます まったくもって食事という感じではありません
何とかならないものかと 思いついたのが ゛とろみ゛をつけること 今 介護食は色々いいものが出ていて 温かい物でも冷たい物でも その粉を入れることでトロッとするという優れものです 粉の量で硬さは自由なので 牛乳などはネクター状 ジュースはゼリー状 おもゆはマヨネーズ状と食品に合わせて 硬さを変えています
ミキサー食のおもゆは 思っている以上にゆるく マヨネーズ状になるまでに かなりの粉を入れることになります それでもYさんの食事の自立のために こだわりを持って必要な硬さにしていきます それによってYさんはゆっくりスプーンですくって 口に持って行き 口にスプーンを入れたまま しばらく止まったままでいても ちゃんと食事が口から入ることになります これをヘルパーに徹底させるために 気がつく限り一人一人に頼み込んでいたのですが 一月半たった今 食事摂取方法を問題に取り上げ 介護棟に移っていただくようかと囁かれるようにもなり 初めて徹底しましょうという声があがりました それまでは ○○さん(私)はそういうけれど なかなか手がなくて・・ と 徹底されていなかったことなのです 介護棟の若手主任が 「何でも手を煩わせたら介護棟というのではなくて Yさんは25年住み続けた場所であることをふまえて できることはやって見て どうしても手の打ちようがなかったら もう一度考えてみるという方がいいと思いますが」 と 私の方法を推奨する援護をしてくれました その意見にナースも同感だと主張 胸のつかえがおりたような思いがしました
環境を変えずに介護を続けることは とても大変なことだと感じますが ここが私の頑張りどころだと思い Yさんの意思を伝えていかなくてはと思うのです
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