あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2003年11月18日(火)

はななの なのの ぬばたまの
くろきつちふむ きみがため
なのりて まねかん はるのつき

 灯りを、と探したけれど
 燃えるものどころか火打石さえ
 私は持つことができません
 ひよよ 風が通り抜けてゆく身体は
 影 いえ影よりも薄く
 飛ばされてしまうのです

はななの なのの くらがりの
まなかの はなの そのいろは
ゆかりのこえの またうらの

 飛ばされて、そしてまたこの花を
 一面の花を私は目にするのです
 はかなく吹き飛ばされて
 ちりぢりになって
 なおも凝るこの思いは
 私なのでしょうか
 私などではない
 ただの思いでしょうか
 朽ちてなお
 ありつづける

はななのなののまんなかの
のじをつらねてものおもう

その よる





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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe