あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
神様は、いなくなってしまいました 2003年12月06日(土)

一体、何処へ行ってしまったのか、私は知りません。
ただ、私は祈ることを知っているので、困ったりなんかしません。
祈ることを、知っているので。

その日、
神様が居なくなって、蛙たちは慌てていました。
これからもずっと、鳴かなければいけないので
手近な泥をこねて神様の像を作りましたが、
それは雨に流れてしまうのでした
蓮の花を掲げて、神様に見立てましたが、
それは時が来れば萎れて枯れてしまうのでした。

夜を知っているので、明日の事を書くことができます
泥の暖かさを知っているので、綺麗な雨を書くことができます
貴方の手と繋ぐことができないので、
優しい夢の事を書いて、それから独りで眠ります。


枯れた蓮の落とした種が、千年の後に芽吹きました。

おやすみなさい。



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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe