あまおと、あまあし
あまおと、あまあし
 2004年01月03日(土)


君が 刻んでいる
君が (台所で) 刻んでいる
君が 朝の (台所で) 刻んでいる
君が 朝の (台所で) 希望を (明日から切り離そうと) 刻んでいる

その音を 僕は 目を閉じて聞いている

ととん と鳴るのは木戸の音だろうか
尋ねてくる友人達は既に人の形を喪って
風や日陰の冷たさや 陽だまりの猫の髭のたわみ
おめでとうと いう言葉は 相応しくないだろう

刻まれた朝は 霧の立つ川面に流して
掌に残る昨日を ひとつひとつ拾い上げよう
初日の方角から やってくる優しさに いってしまった人の声が
そっと 耳の 縁に

君は 刻んでいる
君は (朝を) 刻んでいる
君は (朝を) 刻んでいる (今日の為に)


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 著者 : 和禾  Home : 雨渡宮  図案 : maybe