台所のすみっちょ...風子

 

 

サラバ・壊れゆくもの。 - 2002年09月10日(火)

「ホコリで人は死なね〜よ〜〜だ。」

と2週間、部屋の隅で軽やかに舞うホコリたちに目をつぶっていた私。
だが、狂ったように乱舞するホコリ達の様に、さすがにこれ以上耐えられないと思い、やっと掃除を決意した。


まず、顔を洗い、歯を磨き、服を着替え、気合いを入れる。

ヨシ!!

「ふ〜、今日は長い一日になりそうだ・・。」と呟く。


一通り、はたきをかけ、サテ、いよいよ掃除機の出番。

コンセントを入れて、ヒョイとなにげにホースをつかんだその瞬間・・・・、


ス〜〜ッポ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!

ヘッ?・・・・ホースが・・・・・抜けた。


エ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!?


どういうことだよ!?

よくよく覗いてみると、本体に付いていたはずのホースが根本からちぎれ、蛇腹を形成していた中の針金がビヨ〜〜ンとこんにちは!しているではないか。

これは大変!もう何も吸えない。



実はこの掃除機は、前勤めていた会社の同期の友人達からの結婚祝いだった。

結婚して8年。

すっかり衰えてしまったのか、確かに、半年前からその吸引力にやや怪しいところはあった。

しかし、ナント言っても結婚祝い。夫婦になったという証の品のようなもの。

たとえ、大きな物が吸えなくとも、大丈夫!負けるな!とエールを送りながら、今日まで騙し騙し使っていたのだ。

が、もう彼には小さな物さえ吸い込むことはできない・・・。

畳の上にヘナヘナとへたる私。

そして、ダラ〜〜ンと象の鼻のように横たわるホース。


そのホースは、まるで結婚生活そのもののようであった。

長く一緒にいれば、「いつまでも初めの時のような気持ちではいられないさ」という象徴。

そういえば私達も、最近はお互い好きな事ばっかりのやりたい放題のしほうだい。

”結婚”という本体から外れっぱなしである。

掃除機はきっと捨てることになるのだろう。

「もうちょっと早く気がつけば、ちぎれるのを防げたな〜。」

掃除機を見ながら、夫婦の間も常にメンテナンスが必要だと、なんだか深く思う私であった。


...




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