たそがれまで
DiaryINDEXpastwill


2002年11月22日(金) もう一人の母のこと  




「もう一人の母」について書き出したはずなのに
なかなか書くことが出来ずにいます。
何度も下書きをし、読み返してみるのだけれど
言葉が気に入らなかったり、内容そのものが嫌だったり。

「母のこと」を書いた時のように、もっとスラスラと書けると思っていた。
胸の中にわだかまっていたものを一気に吐き出した。
でも今回はそれが出来ない。

決してきれい事にしようとは思わないのに、
だから書けないのかも知れない。ね。


昨日、何気なくテレビを見ていたら
ノーベル賞を受賞した田中さんの特集番組が始まった。
それは国営放送で、ひっそりと放送された感がある。

彼は生後間もなく養父母に引き取られたそうで、
18才までその事実を知らずに育ったらしい。
彼のお母様は産後の肥立ちが悪く、彼を産んですぐに亡くなったとのこと。
その母への思いが「医療」への貢献である世紀の大発見へと繋がったらしい。

その事実を知った時、とてもショックが大きかったらしい。
彼はこう言っていた。
「今までの自分は何だったんだろう」
自分の存在を否定されたのだと思う。
自分の存在を自分自身で肯定できなくなったんだ。

ふっきれるのに何年もかかり、大学生活はその為の時間に費やされた。
偉大な発見を成し遂げた彼でさえそうだったんだ。
ふと、嬉しくなった。
失礼な言い方かもしれないが、嬉しかったのは事実なんだ。




まだまだ上手く言葉にできない。
「もう一人の母のこと」はぼちぼち更新していきます。



東風 |MAILHomePage

My追加