たそがれまで
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2003年03月10日(月) ステップファミリー 2





ステップファミリー支援組織の、お悩み掲示板に書かれた
もう一つの多くの悩み。

それは、連れ子とセメントベビーの折り合い。
子供同士の場合もあるし、親と子供の場合もある。

家族を結びつける(固める)という願いから
セメントベビーと云うネーミングになったのだと思う。
でも、絆になってくれれば良いのだが、亀裂になることもあるようだ。



私達が再婚する前に、子供の件は何度も話した。
もしも、夫が自分の子を望んだら私は産むつもりだった。
いや、血の繋がった子供を抱かせてあげたいと、
産んであげたいと思っていた。

だけどそれはなんと云う傲りだろう。
『産んであげる』とは嫌な言葉だ。
子供はおもちゃじゃない。
産んだら終わりじゃない。
そんなこと、解りきってた筈なのに。


夫は自分の子を望まなかった。
この事は、何度も何度も確認をした。

「自分の子供が欲しくないの?
 自分の生きた証をこの世に残したくはないの?」と尋ねた私に、

「自分の子供なら二人もいるよ。」それが夫からの返事だった。


しばらくして同じことを問いかけると、夫は静かにこう話してくれた。

「確かに、自分の子、自分の血が繋がった子供が欲しくない訳じゃない。
 でも、『血の繋がり』だけが『自分の生きた証』だとは思ってない。
 それに・・自信はある。自信はあるけど、自分も人間だから・・・」

夫の言葉はしばらく止まった。そして、ゆっくりと言葉を選んで

「自分も人間だから、もしかしたら、もしかしたら、
 二人の子供と、俺達の子供の、可愛さが違ってしまうのが怖い。」

その話しはそこで終わった。
夫なりの誠意だと感じた。「大丈夫さ」と安請け合いしない夫の誠意。
だけどもし、私達に子供が授かったら、喜んで受け入れる覚悟はできている。
それはきっと、お前達なら大丈夫だよと、授かる子供だと思うから。



私達家族はステップファミリーだ。
でも、それを日常生活で痛感する瞬間は少ない。
それがどれだけ恵まれて、幸せであるか。
ちゃんと認識して生きていこう。
ちゃんとちゃんと生きていこう。








東風 |MAILHomePage

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