DiaryINDEX|past|will
| 2003年03月26日(水) |
もう一人の母のこと 3 |
先週、実母の誕生日だった。 実母といえば、実母。 私をこの世に生んでくれた母。
毎年、実母の誕生日には、姉妹でお金を出し合って、 長女と次女がプレゼントを選ぶことになっているのだが 今年はそれから抜けようと思っていた。 事前に姉に連絡をして、その主旨を伝えておいた。
もうすぐ花がいっぱい咲くから、 母にこちらに来てもらいたい。 それを誕生日プレゼントにしたいから、 今年は私だけ抜けるね。
「日本一早い春」と銘打って 県をあげてのフラワーフェスティバルなどが催されている。 それを是非、母に見せたかった。 昔々に「いつか連れて行ってあげる」と約束したままになっていたから。
姉達と話し合った末、皆からのプレゼントとして 私の提案が採用された。 一人だけ良い子にさせてなるものか・・・ なんて笑って言っていたけど、私だけ負担が増えるのを 気にしてくれた結果だと思う。
こんな時、三女以下には発言権が与えられないのが、私達姉妹なのだ。 姉三人と妹一人。 「四女です」と言葉にすると、皆、目を丸くする。
だけど 「四女です」と答える機会は、大人になるまで与えられなかった。 私は、「四女」でもあり、「一人っ子」でもあったから。 臨機応変に使い分けるようになったのは、ここ数年の話しで やはり養母が亡くなるまでは、その言葉自体に躊躇があった。
養母がまだ元気な頃は、私の運転でよく出かけた。 二人の時もあったけれど、実母を加えて三人の時も多かった。 昔、同じ職場に住み込みで働いていた二人は、 「母」と云う立場以前に、親友同士でもあったから。
どこかで花が咲いたと聞けば、養母も実母もそれとなく私に話しだす。 二人のそれは、「連れて行ってね」と同意語だった。 運転することが苦痛ではない私は、結構な距離を一人で運転をした。 梅、桜、藤、菖蒲、紫陽花、向日葵、百合、秋桜、椿・・・ ありとあらゆる花を見に行った。 日帰りで700�劼鯀�破したこともあったっけ。
さすがに養母の具合が悪くなり、私も子供を産んでからは 遠出をする機会はめっきり減ったが、ちょこちょこと近場の花見には 連れ出していた。 ペーパードライバーの姉や、仕事が忙しい妹に変わって 姉妹の中では、私がお出かけ係りという役割だったのだ。 まあそれに、私自身も神社仏閣が嫌いではなく 花を見るのも好きだから、喜んでその役を買って出た感もある。
それが、私が400�厠イ譴審垢鳳曚靴燭發里世�ら、 「どーこにも行けなーい」が口癖になってしまったらしい。 まったく、子供みたいなんだから・・・。
もうすぐ母が来る。 久し振りのお花見になる。 一人の手柄ではなくなったけど、姉妹全員からのプレゼントだ。 母の到着を待つように、花の蕾が開き始めた。 桜もチューリップもポピーもマーガレットも、一斉に花が開く。
もう春。 やっと春。 あの日約束した「春」を、 やっとみせてあげられる春が来た。
|