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「ねえ、ママの本当のお母さんってだれ?」
後部座席に座っていた娘から、突然尋ねられた。 ほんの少し前に、大好きなお祖母ちゃんにバイバイを言ったばかり。 その帰り道での質問だった。
「ママにはね、お母さんが二人いるの」 いつものその答えでは、納得してくれそうにない。
仏壇の遺影で笑っているのも、お祖母ちゃん。 さっきまで一緒にいたのも、お祖母ちゃん。 小2の娘には、どう説明したものか。
「ママはね、さっきバイバイしたお祖母ちゃんから生まれてきたの」
「じゃあ、本当のお母さんだね。」
「ううん、そうじゃない。 ママにはどっちも本当のお母さんだよ。 本当の反対は嘘でしょ? ママには嘘のお母さんなんていないよ。 ももにだってお父さんが二人もいるじゃん。 どっちが嘘でどっちが本当?」
「どっちも本当のお父さんだよ〜。 そっか〜」 納得したのかしていないのか、しばらくは何も言わなくなった。 そしてまた思い出したように、私に問いかける。
「ねぇ、ママのお姉ちゃん達もみんなお母さんが二人いるの?」
「ん・・・と、お母さんが二人いるのはママだけ。 ママはね、さっきのお祖母ちゃんから生まれてきて みーばあちゃんに育ててもらったの。 だから、おばちゃん達よりお母さんが一人多くて、得しちゃったんだ。」
「ふぅ〜ん。で、なんで?」
なんと答えてよいものか、しばらく言葉が出なかった。
「なんでだろ〜ね〜。ママにもよく解らないよ。 ママが、一番欲張りだったからかもね。」
「ふぅ〜ん、そっか」 そんなところで納得してほしくはなかったけど・・・
いつかね、いつかきちんと話す日が来るだろう。 私に母が二人いることを。 娘にお父さんが二人いることを。
そして、 私は本心で「得をした」って思っていることを、 娘にもわかってほしい。
夫に、娘との会話を教えたら 「本当のお父さん」って言葉に、とても感激していた。 私もそう、娘の言葉はとても嬉しかった。 まだ1年しか経ってないけど、 私達の進んでいる方向は間違ってない。 そんな気がした。 そんな気がした。
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