ミドルエイジのビジネスマン
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2002年10月27日(日) 母の看病

母の看病のため、週末にあわただしい帰省をした。命にかかわりはないが、既にいくつかの慢性疾患を抱えている母が週初に入院したので、義姉と付添いの泊込みを一日だけ交代したのだ。

日本海に程近い地方都市の大きな川の向こう岸に最新設備の病院が移転したので、7階の病室から自分の十代後半の心の成長を育んだ街の全体を見渡すこととなった。変わりやすい天候は今年初めて初冬の趣を帯び、足早に雲が流れる夕暮れの大河の上空を雁が連なって下っていく。

老いた母が眠るベッドの横で自分の高校生時代を想い起こしながら、子育てをしている今の自分のことも考えてみる。最近、「世代を紡いで行く」ということを考えることが多い。

老いた母と成長した息子が空調の快適に効いた窓の広い病室で、言葉を交わすこともなく静寂の時間を一緒に過ごしている。これも親が子に与えてくれた恵みであろうと思う。


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