北国の山林の一角にキャンピングトレーラーが入るようにブロックを並べて、窓の明かりの向こうに後から後から舞い落ちる雪を眺めながら暖かいトレーラーの中で一杯のコーヒーを飲む。それくらいなら他の大概のものを切り捨てればできただろうに。雪の中にテントを張ってサラサラとドームを滑り落ちる雪の音に耳を傾けながらランタンの灯を見つめる。それだけなら今年の冬にもできたかもしれない。気がつかないうちに土曜から日曜に日付が変わった。深夜に、自分が本当にしたかったことを考えてみる。もう、3月になってしまった。