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雨宮【MAIL

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 まさかっ。
2002年12月04日(水)

仕事の最初の日、現場への乗りこみってのは緊張するもんであります。
御施主さんがうるさい人じゃなければいいなー(失礼)とか、
あんまり土台が腐ってないといいなーとか。

でね。今回の現場なんでありますが。
朝、八時半すぎに現場に到着すると、なにやら妙な雰囲気が漂っているんでありますよ。
普通なら車の音がすれば、お客さんのほうから顔を出したりするもんなんです。
そりゃ、お客さんのほうも少なからず緊張していますからねえ。
しかしこの現場の場合。
入り口から見える和室に、家族が勢ぞろいして、正座をして俯いているんであります。
よーく覗くと、奥の仏壇の前には豪華な袈裟を着た坊さんが。

……これはヤバイ。マジでそう思わせる雰囲気でありました。

なんていうか、縁起でもない話ではあるんですが、結構あるんですよ。
工事が終わった途端、不幸が起こったとか。
契約して着工までの間に、不幸が起きちゃうとか。

もうね、今回これに間違い無いだろうって思ったんですよ。
だって、普通に生活してて坊さんが家に来るなんて、不幸があった時か、○回忌なんて時しかないじゃないですか。
インターホンを鳴らして元気に挨拶できるような雰囲気でもありませんし、仕方なく庭先に車を止め、お客さんが気付いてくれるのを待つことに。
漏れてくる木魚のポクポク言う音の、空しさったら!

で。10分くらい経ったでしょうか。
ふと顔を上げた奥さんが、私たちに気付いて出てきました。
何を言われるかとドキドキであります。


「ごめんなさい、今、工事を始める御祓いしてもらってるんで」


……って!
なんだ、脅かすなよ〜〜〜!
どっと全身の力がぬけましたとも。
うーん。坊さんもそんな事するんですねえ。神道の専売特許だと思ってましたが。

で。更に奥様がいう事に。
「この後、塩とお酒でお清めしますんで、その後にお願いします」

──いや、さすがにそれは仏教じゃないんじゃ?







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